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産経新聞連載 直球&曲球 掲載されました

2017/01/12

産経新聞連載 直球&曲球 掲載されました

本日の産経新聞、「直球&曲球」が掲載されました。ぜひご覧ください。

【自分を追い詰めずに苦しいと認める】
2017年1月12日 産経新聞掲載

「野口さん、よく同時にいろいろな活動ができますね。1つの活動でも大変なのに」とよく言われる。確かに...。気がつけば登山、環境活動、沖縄での遺骨収集、ヒマラヤでは森林再生プロジェクトや学校建設、そしてネパールや熊本での震災復興活動など。
何が大変かというと頭の切り替え。例えば昨年の熊本地震では益城町にテント村を設営した。そのテント村から富士山清掃活動や沖縄の遺骨収集に出かけたことや東京にとんぼ返りで戻り、バラエティー番組に出演したり。
約600人の命を預かっていたテント村。責任者の一人として100%、テント村の運営に専念したいと感じながらも以前から入っていたスケジュールを断るわけにもいかない。講演でテント村を離れる際にも「講演どころじゃないのにな」と家人に愚痴をこぼしたら「あれだけテントを買ったのだから仕事はちゃんとしてください」と一言。
 
ただ、現場を離れ、救われることもあった。現場はどうしたって日々、さまざまなトラブルと向き合うことになる。1つの問題をクリアすると次の問題が待ち構えている。その繰り返しで心身ともにキャパオーバー。その状態が続くと感情が疲弊し、乾ききってしまう。
そうなる前に、現場を離れ、全く違う場所で全く違うことに脳みそを使う。趣味に没頭する瞬間があってもいいだろう。煮詰まっている現状から距離を置くことで肩の力がスーと抜ける。楽になることによって狭められていた視野や発想の扉が開く。
活動を続ける上で重要なことは、自分の精神的キャパを把握することだ。人間の精神力、集中力には限界があるから過剰に自身を追い詰めてはいけない。苦しい時には苦しいと認めること。
一時の正義感や思いつきだけでは活動は続かない。人生も活動も短距離走ではないのだから。そして何よりも大切なのは本人がその活動に夢やロマン、新たな可能性を感じていること。どんな活動にもワクワクしたい。また活動を「やりっ放し」で終えるのではなく形にまとめ、次につなげていくことも重要だ。
2017年がスタートした。今年も一歩一歩、コツコツと焦らずに積み重ねていきたい。
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