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産経新聞 野口健連載「直球&曲球」

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2018/01/11

産経新聞 野口健連載「直球&曲球」

2018年1月11日 産経新聞掲載
『雪崩でむち打ち症に 医師との出会い...単調なトレーニング乗り越え、3年ぶりにヒマラヤへ』

新たな1年がスタート! 春には3年ぶりとなるヒマラヤ遠征がある。

高校生時代から毎年のように通い続けてきたヒマラヤ遠征は50回を超えた。しかし、平成23年、エベレスト挑戦中に雪崩に遭遇、生き埋め状態からなんとか脱出したが、雪崩を受けた衝撃から首がむち打ち症に。翌年から手の指先がしびれ、肩や肩甲骨周辺にマイナスのドライバーを差し込まれたかのような激痛に襲われた。

精密検査の結果、頸椎(けいつい)のヘルニアと判明。リスクの高い手術を避け、はり治療などを数年間続けてきたが、周期的な激痛から逃れることができず鎮痛剤漬けの生活が続いた。「このままでは登山家としても終わってしまう」と焦るもリスクのある手術を決断できなかった。そんな時に頸椎手術のスペシャリストである徳島大学病院の西良(さいりょう)浩一先生との出会いがあった。

「内視鏡による手術なら負担が少ない。野口さんにはまた山に登ってほしいです。任せてください。必ず成功させます!」と。暗闇の中に一点の光を見つけた。手術は無事に成功。あれから1年半、少しずつ歩く距離を伸ばした。部屋の壁にはエベレストに登頂したときの写真をかけ、眺めては登れていた頃の自分の姿を思い出していた。「理想としている自分の姿」をイメージすることで気持ちを切らさないようにしたのだ。

トレーニングは日々同じことの繰り返し。これが簡単なようで実に難しい。成果がすぐに表れるわけではない。全ての努力が実るわけでもない。それでもやり続けることに意味がある。「コツコツのコツ」を大切にできなければ大きなことはできないと自身に言い聞かせた。一つ一つは小さなコツ。その小さなコツをヒマラヤ遠征までにどれだけ積み重ねていけるのか。

ブランクがあるだけにプレッシャーもある。しかしトレーニングを続けることによって「前向き」なプレッシャーへと変えられる。エベレストに挑戦しては失敗を繰り返していた学生時代を思い出す。けがをしたおかげでがむしゃらになれる。

つくづく感じたことがある。人生、全ての出来事には意味があるのだと。
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