熊本地震の時に益城町で開設したテント村。多くの専門家が視察にいらした。そこで何度も「野口さん、よくスフィア基準を調べましたね!ここはスフィア基準に当てはめると80点ですよ。日本の一般的な避難所は完全にペケですから。いや〜よく調べましたね」。
何のことかさっぱり分からないまま「ええ、それなりに...」と咄嗟に返事してしまいました...。
彼らが帰った後で慌ててスフィア基準を検索。一冊、取り寄せて勉強をしました。被災者への人権をどのように守っていくのかというルールブック。海外の難民キャンプは主にこのスフィア基準を基準に設営されているとのこと。
確かに一人当たりに割り当てる面積、プライバシーの保護、トイレ環境、テントの天井高さなど、偶然にもスフィア基準に一致する点、多々。
どうして、スフィア基準と一致する部分が多かったのか検証してみました。
エベレストのベースキャンプをイメージして再現したのが熊本のテント村。極めて過酷な環境でもどのような環境を作れば心身ともに休む事ができるのか。ヒマラヤ登山は長丁場。ベースキャンプの生活環境は極めて大切になってきます。
全てではないにせよ、ヒマラヤのベースキャンプに求められる生活環境とスフィア基準が目指すべき方向性が重なっている事に気がついた。
寝袋やエアマット、ソーラランタンもそうであるように、ヒマラヤ遠征での経験は災害にも活かせると感じていました。テント村という避難所もあり。また、これからはボランティア団体を受け入れるベースキャンプの設営が急務。テント村はいけるのではないかと。
総社市とタッグを組んで熊本県益城町にて設営したテント村。約600人の被災された方々との共同生活。途中からスフィア基準の存在を知り、少しずつ改善していきました。総社市の災害対策のスキルは驚くほどに高い。
これから被災自治体の首長にボランティア団体を対象にしたボランティアベースキャンプの設置を提案したい。能登半島の付け根から日帰りのピストンは限界がある。ボランティアが被災地の中でステイできれば作業時間も大幅に増える。今は日帰り故、往復の時間を考えると3時間ほどしかボランティア作業ができないとのこと。これでは復興が遅れるばかり。
石川県の方には既に「ボランティアベースキャンプ」について相談しましたが...