テレビ関連 , 遺骨調査・収集

2009/10/19

伝え続ける意味

愛媛、熊本から戻ってからも相変わらず同じ。10月13日はテレビ静岡の「テレビ寺小屋」といった番組で静岡の浜松へ。これは二週に分けて放送される番組ですが教室形式で生徒に向かって授業を行うようなもの。実際は子供たちではなくお母さん?お父さん?たちを対象としましたが、冒険人生から温暖化によって深刻な被害を受けているヒマラヤの氷河融解問題まで約30分ずつ二回に分けて収録が行われました。放送日が決まりましたらお知らせします。
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その夜、東京に戻り
共に遺骨収集活動を行っている空援隊の倉田宇山さんと民主党の高邑議員と食事会を含めた意見交換会を行った。高邑勉さんはこの度の衆議院選挙で民主党から初当選。空援隊の遺骨収集活動を知り、力になりたいと空援隊の顧問議員団に入ってくださった。2時間ほどお話ししましたが、高邑さんが北京大学に留学中にノモンハン事件の現場に出かけ、そこで目にしたのが野ざらしされていた無数の日本兵の遺骨。

「野口さん、私はあの遺骨を見て涙が流れた。中国は日本兵の遺骨収集を認めていないので未だにたくさんあります。ノモンハンのあの遺骨もなんとか日本に帰したい」と現場を見てしまった人間はその事実からもう逃れる事ができない。何かしらの活動を起こすか、目に見えない重たい荷を生涯にわたって背負い続けるのか、おそらくそのどちらしか選択肢はない。知るという事は時に酷である。高邑勉さんも知ってしまった一人である。故に我々の仲間に加わり一体でも多くの遺骨を日本に帰すべく一緒に国を動かそうと誓い合った。高邑さんの国に対する熱い思いには偽りがなく、素敵な仲間が新たに増えたと心強かった。

私が懸念しているのは、この各省庁予算削減の嵐の中で、ただでさえ雀の涙のような遺骨収集事業に充てられた国家予算が削減されそうな気配。この一年の間、厚生省や政治家の間からもこの遺骨収集事業について「国の責任としてやるべきだ」との意見があちらこちらから湧きあがり舛添厚生大臣(当時)も国会質疑の中で空援隊の名前をあげ「国も責任をもってやっていく。またNPO団体とも連携し協力する」と明言。

しかし、政権交代後、まったくの白紙状態が続く。厚生省の担当職員とて大臣や副大臣による政治決断がなされなければ身動きとれない状況。「民主党は自らが掲げたマニフェスト以外は削減する方針だ」といった情報も耳に入ってくるが、もし仮に積み上げてきたものが一方的に奪われるのならば、私の民主党政権に対する立ち位置はその時点で明確となる。

国のためにたった一つしかない命を捧げ死ななければならなかった人たちに対し、もし仮に冷たくあしらうような事があれば、その時点で友愛精神ではないだろう。いずれにせよ、まだ結論が出たわけではない。新政権誕生であり、あれもこれも一気に解決できるわけもなく、1つ1つ着手するのに時間を必要とするもの。今この時点で民主党政権に対しどうのこうのと判断を下すには早すぎる。

ただ削減が決定してしまえばどうしようもなくなる。故に民主党議員の先生方には遺骨収集について現状をもっともっと知って頂きたい。活動を続けるという事は伝え続けることでもある。伝える事に疲れてしまったら終わってしまう。まだまだ多くのご遺骨が帰国を果たせず私たちが迎に来るのを待っているのだ。目をつむると未だジャングルに取り残された遺骨が見える。辛抱強く、また粘り強く伝え続けなければ何事も成せない。さて、明日も明後日も講演会が続く。同じような事を繰り返して話すのかもしれない。しかし、この講演会の1つ1つも私にちっては伝える場。しっかりと伝え続けてきたい。


10月14日 野口健

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