レンジャー・ガイド , 富士山 , 自然保全 , 講演会

2009/10/21

一歩一歩、前へ前へ

 講演活動は千葉県、山梨県、愛知県、山口県と続き昨日東京に戻ってきました。講演会のテーマは冒険から清掃活動などの環境問題、そして遺骨収集への取り組みなど実に幅広く要点をまとめるのはなかなか一苦労ですが、大きな括りにすればテーマは日本。
千葉企業人大学にて

千葉企業人大学にて

前回のブログで「活動とは伝えること」と書きましたが、より正確には「まずは伝えること」。そして次に伝えることで活動の環を広げ具体的なアクションを起こすこと。理想を問うのは実に容易い。問題は伝えた事を実現させなければ意味がないが、それがとても難しい。どれだけ伝えようが物事の進展にはそれなりに時間を必要とするもの。当然といえば、当然ですが、もちろん、全ての人が共感するわけでもなく、時に反論もあるもの。それは別にいいとして、ただなによりも空しいのは無関心、無反応。

同じような事を繰り返して話す事に果たしてどこまで意味があるのかと、一度も葛藤しなかったと言えばそれはない。ただ、葛藤を繰り返しながら、信念さえあればいつかは必ず伝わるのだ、との思いで全国行脚を行って来し、これからもそう。

富士山清掃活動の参加者も10年前は100人足らず。10年後は6800人を超えた。活動は大きな環となった。遺骨収集活動もいずれはそうなる。

時に人を苦しめるのは人であるかもしれないが、人を助けるのもまた人。人に伝える事を諦めたら何かが終わってしまう、崩れてしまうといった恐怖を感じることがある。

学生時代、97年、98年にエベレストに挑戦しても登頂できなかった頃にもう挑戦を断念しなければならないのかと追い詰められた事がありました。それでもこうして挑戦を続けてきたのは、挑戦を続けるのは怖かったけれど、それ以上に挑戦を諦めて全てを失ってしまうほうが遥かに怖かったからです。生きるという事はどうであれ怖い事の繰り返し。どっちにしろ怖いのならばやるしかないと、まあ~そんなものです。エベレストに登る、また太平洋などの海を渡るといった事だけが冒険ではなく、環境問題も遺骨収集活動も形を変えた冒険です。

人は与えられた役割の中で生きていくもの。橋本龍太郎氏の言葉の中に「例え火だるまになろうともやり遂げる」というものがありましたが、龍さんのお気持ちが少しだけ分かってきたような気がします。

10月16日
午後13時から千葉県幕張にて千葉企業人大学(毎日新聞主催)にて講演。
17時45分から千葉県・安孫子市へ移動し、日本電気労働組合我孫子支部にて講演。講演後、山梨県・富士吉田市へ移動。22時半富士吉田市に到着。
日本電気労働組合・我孫子支部にて講演

日本電気労働組合・我孫子支部にて講演

10月17日
 午前10時から山梨県富士吉田市にて日本PTA関東ブロック研究山梨大会にて講演。講演終了後、13時半から富士山レンジャーと合流し16時半まで富士山麓・樹海などのパトロールを行う。富士山レンジャーは日々、現場をパトロールしています。隊員の彼らが現場で何を見ているのか、名誉隊長として報告を聞くだけではなく一緒に現場に行かなければと彼らのパトロール任務に同行。

 途中、雨に降られなかなか寒かったが、樹海の歩道を外れ森の中を案内されたらそこは心無い人たちによって荒らされていた。森の中でサバイバルゲームを行っていたのか、迷子にならないように至る所にマーキングがされていた。例えば気にペンキで色を付けていたり、またビニール紐があちらこちらの木々に巻き付けられていたり。そしてコケが踏み荒らされ岩が露出していた。不届き者に対し拘束するなどといった法的な権限がない富士山レンジャー隊員の苦悩が続く。彼らもまた一生懸命伝え続けているのだ。これからも機会を見つけては隊員と一緒に現場を歩きたい。
日本PTA関東ブロックにて講演

日本PTA関東ブロックにて講演
2000人を超えると会場も広い
2000人を超えると会場も広い
富士山レンジャー隊員と

富士山レンジャー隊員と
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マーキングされたビニール紐が

マーキングされたビニール紐が貼りめぐされていた
P1090120

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10月18日
愛知県・稲沢市にてリーフエコ博にて講演
リーフエコ博にて講演

リーフエコ博にて講演
P1090151
 

10月19日
山口県・下関市の海上自衛隊・小月航空基地にて講演
22時、東京に戻る。
海上自衛隊・小月航空基地にて講演

海上自衛隊・小月航空基地にて講演
P1090237



次回は海上自衛隊・小月航空基地講演について報告します。

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