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海上自衛隊での講演 ~国防を担う若者たち~

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2009/10/21

海上自衛隊での講演 ~国防を担う若者たち~

 10月19日、海上自衛隊小月基地に訪問。目的は航空学生への講演です。自衛隊では「講演」ではなく「講話」と表現されていたのには新鮮でした。海上自衛隊小月基地から講和依頼を頂いた時は素直に嬉しかった。私自身、中高校時代、自衛官になりたくて何度も千葉県習志野市にある「第一空挺団」に足を運んでは見学してきました。実際に高校時代、陸上自衛隊の試験も受けた。山に登るのか、それとも自衛官になるのか、ギリギリまで考え悩み登山の道を選んだわけです。
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 祖父が軍人、戦後は自衛隊員で退官時は幹部学校(旧陸大)の教官であった。父もまた役人。その血が私にも流れているんですね。無意識のうちに日本という国の在り方について素人ながら気になるもの。血の繋がりは本当に不思議なものです。

 航空学生への講演前に練習機T―5に体験搭乗。3500Mほどの上空でアクロバット、いわゆる宙返りであるが、さらに途中から宙返りをしながら回転しながら落ちていくスクリュウを経験しましたがGを全身に受け、顔が重力に引っ張られ、あの過酷な状況下の中で冷静に操縦桿を握るパイロットたちの冷静な精神力にさすがは自衛隊のパイロットだけあると感心させられた。約1時間、飛びましたが、後半は吐き気との戦いで額は冷や汗でベットリ。航空学生は日々、このような過酷な訓練を行っている。少しでも経験させて頂いた事で、国防を担おうと必死に訓練に励んでいる隊員の気持ちにほんの少しかもしれないけれど近づけたような気がしました。
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ちょっと緊張気味?

ちょっと緊張気味?

 世の中には好き勝手、自分たちの物差しだけで物事を図ろうとする人たちも多い。特に自衛隊に対するアレルギー反応を示す人たちもいる。中には「自衛隊は軍隊ではないか」「PKOは危険な海外派兵だ」といった批判的な意見もある。しかし、いつの時代には命を賭けて国を守ってきた人たちがいるということを忘れてはいけないし、また平和とは努力して得るもの。自衛隊は戦争を起こすための軍隊ではなく、戦争を起こさないための「軍隊」。私の祖父が自衛官の頃に世間から「税金ドロボー」と言われ一部メディアには散々誹謗されたけれども、自分たちの任務は国民を守ることだと、それだけを考えていたと話していた事を覚えています。
私が搭乗したT-5練習機

私が搭乗したT-5練習機

 先日もある朝まで生中継しながら論客員や政治家たちが議論するとある番組を見ていましたが、コメンテーターが「自衛隊を持つことに反対。9条を守るべき。」と発言。それに対し司会者は「それでは、他国が攻めてきたらどうするんですか!」と指摘すれば、その人は「殺す側になるならば、私は殺される側になったほうがいい」と発言。「何を綺麗ごと言っているのか、目の前で肉親が殺されてもあなたは同じ事を言えますか!」とその人に問いたい。
もちろん、全てではないにしろ、評論家はいかにももっともらしく綺麗な事ばかりを口にするが、国の土台を根底から支えているのはそんな彼らではない。
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宙返りした瞬間。雲が上で空が下。
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宙返りした瞬間。雲が上で空が下
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 一個人の意見としてしか拝聴できなかったが、もしこれが国家の姿勢となればそんな無責任なことはない。国民の生命財産を守るのが国家の責任。自衛隊員はその第一線で今日も一日厳しい訓練を続けている。私は自衛官に対し心から敬意を払い、誇りに感じています。

 講演中にも感じたことですが、航空学生や隊員のキリッと引き締まった表情。若者らしくとても清々しかった。二十代前後の若い彼らが国防の一端を担おうと厳しい共同生活、訓練の中、必死に生きている姿に日本にもまだこういて使命感を抱く若者がいるのだと嬉しかった。

 私と自衛官とではそれぞれ立場が違います。ただ、私たちにもそれぞれの役割があるはずです。国を守るということはなにも自衛隊だけの仕事ではない。また政治家だけの仕事でもない。私にだってその責任はある。いや、皆それぞれが日本人として生を受けている以上、国から与えられることばかりを期待しないで自分たちにも社会に対し何が出来るのか、一人一人が自覚すること、その気持ちが国家という共同体の一員として参加することになるのだろうと思う。

 私は私に与えられた役割を果たす。これは全ての人にも同じく共通した責任だと思います。
さすが写真部出身!えっへん!

さすが写真部出身!えっへん!
この寂しげな夕日が好きです

この寂しげな夕日が好きです

 さて、予定されていた八ヶ岳大縦走はいよいよ一週間をきりました。全国行脚が続いていたのでトレーニングが十分に出来ていない。明日から相棒の平賀カメラマンと二泊三日で山籠り。くたばるほど歩き続け体を作ってきたいと思います。来週、どうなることやら・・・。

10月20日 野口健

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