紅葉の白神山地
マタギ小屋に遊びに来たサンショウウオ
川の中に沈む落ち葉
小池さんのお弁当
小池さんの相棒
秋の白神山地の水はキーンと冷たい
一つ一つ、丁寧にキノコを採る小池さん
10月23~23日に青森県・白神山地へ。白神山地に初めて訪れたのは確か2001年だったか。地元のテレビ局の企画でマタギの方と白神山地を歩く、という番組。
そこで出会ったのがマタギの工藤光治さん。工藤さんと初めてお会いしたのに初めてのような気がしない。なんでだろう、と考えていたら、そう、ヒマラヤのあるシェルパと同じ目をしていたからだ。
そのシェルパの名前はラクパ・テンジン・シェルパさん。数々の日本隊をサポートしてきた大サーダ(シェルパ頭)。私にとってはヒマラヤの父のような方ですが、そのラクパ・テンジン・シェルパと同じ目。優しさの中にも厳しさ。厳しさの中にも優しさ。過酷な自然の中で生きる人の目。それ以来、ほぼ毎年、工藤さんと一緒に白神山地を歩くようになった。
自然と共に生きることとはどういうことなのか、理屈ではなく工藤さんの生き方から一緒に山を歩くたびに少しずつ少しずつ発見してきました。僕にとっては師匠のような存在です。白神山地に通い続けて10年以上になりましたが、しかし、秋の白神山地は初めて。紅葉の白神山地を感じたいとカメラ片手にやってきました。
工藤さんは他のお仕事でご一緒できませんでしたが、工藤さんの弟子の小池幸雄さんと一泊二日の登山を行った。神奈川県出身の小池さんは弘前大学、探検部出身。学生時代に白神山地を探検し、マタギの工藤さんと出会い、自らがマタギになりたいと工藤さんに弟子入り。その小池さんにお世話になりました。秋の白神山地の川(大川)はキーンと肌を刺すように冷たい。ガクガクと震えながら腰まで水につかり川と渡る。時よりイワナがスッと足元を過る。そうそう、朝、コッヘルの中からサンショウウオが登場した時には驚いた。そしてその夜、テント泊でしたが、火を囲みながら食事していたら、真っ暗な空から「クークー」と鳴き声が。小池さんに「なんの声ですか」と訪ねたら「ハクチョウです。この時期になるとハクチョウの群れが白神山地の上を飛んでいくんですよ」と。これには感動。真っ暗闇で見えないけれど、ハクチョウが低空飛行で飛んでいるのだろうか、すぐ頭上にいるような距離感。目をつぶりながら無数のハクチョウを感じていました。
取材や環境学校などで白神山地に訪れる事が多いですが、こうしてプライベートで訪れる白神山地はまた別もの。時よりパラパラと雨が降る中、それでも火を囲みながら、日本酒、ワイン、ウィスキー、焼酎とアルコールは勢揃い、そして小池夫人の手料理がこれまた絶品でなんとも贅沢なひと時でした。次回は冬の白神山地を感じたいと、新たな目標を抱きながら東京に戻ってきた。