後ろ髪を引かれる思いを残しながらも、四泊過ごしたサマ村を出発。これからの行程は ラルケ峠を越えるために標高を一気に上げる。アルガータ~サマ村とはまた一味違う世界へ。4000Mを超え、いよいよヒマラヤの世界へ。天候は辛うじて午前中まで。午後になると雲行きが怪しくなり再び雪が降る。寒いのだけれど、しかし、写真を撮ろうと思えば不安定な天候も悪くない。気流が荒れれば荒れるほどに、空に雲が絵を描いてくれる。そして瞬時にその表情を次から次へと変えていく。その瞬間、瞬間が勝負。いつのヒマラヤ遠征であったか、ツイッターで「風を撮ってきてください」と注文を頂いたその時から「風を撮る」は僕のテーマとなりました。
アルガータからサマ村までは子どもたちの表情がテーマでしたが、今日からはそのレンズはヒマラヤへ。すっぽりと雲に覆われたマナスル。マナスルの雄姿を撮るのは無理かな、と諦めかけていたその時に雲の隙間からマナスル峰の山頂付近が少しだけ顔をだした。その少しだけが、また素敵な演出となり。その時その時と、全て異なる表情に出会えるのが最大の喜び。一人で満喫するにはあまりにも勿体ない。写真を通して一人でも多くの方々とこの世界を共感したい。帰国後の写真集ページ、楽しみにしていてください。
2012年4月18日 ヒマラヤ標高4200mにて 野口健
2012/04/07 | 2012春ヒマラヤ遠征出発しました |
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2012/04/07 | 2012春ヒマラヤ遠征出発しました |
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