2012年アフリカ , 2012年アフリカ遠征

2012/09/10

ウガンダでの少年兵

9月5日、ウガンダ北部のグル県へ。ウガンダの首都カンパラから車で約6時間。このグル県に訪れたテーマは「少年兵」。ウガンダ北部では1986年から、政府軍と反政府軍(LRA)の紛争が勃発。この紛争で大きな社会問題となったのが「少年兵」。ウガンダ政府の発表によるとLRAに誘拐された少年、少女は6万人を超える。誘拐の目的は少年には戦闘行為を強要し、少女にはゲリラとの強制結婚、また大人兵士からの性的虐待など。
少年兵4.jpg

このウガンダの少年兵問題ですが、元少年兵を支援している関係者や、様々な少年兵から集めた証言資料、そして今回は元少年兵へのインタビューも行いましたが、お話を聞けば聞くほど、人間はそこまで残酷になれるものかと・・・。想像してみるだけでも考えられない。

元少年兵の証言の中には誘拐される時にゲリラに斧を手渡され「母親を殺せ!」と。拒むとそのゲリラは母親の腕を斧で切り落としもがき苦しむ母親を前に「早く楽にしてやれ」と。そして「殺さなければお前も殺す」と脅し、発狂したその少年は母親の首に斧を振り落したと。誘拐時に親殺しを強要する。子供に親を殺させる。親を殺せば、他人はもっと簡単に殺せるのだと。こうして誘拐された少年たちは殺人を目的とした少年兵へと育てられていく。政府軍への戦闘、また食料などの物資を略奪するために村々を襲撃。小学生ぐらいの子供たちが銃を手に人を殺さなければならなかった。脱走を試み捕わればその多くは処刑されていった。
少年兵1.jpg誘拐された女性たち

その少年兵が戦闘中にゲリラの元から脱出、または戦闘中に負傷し政府軍に捕われるケースも少なくなく「帰還した少年兵たちをどのようにして社会復帰させるのか」をテーマにここグル県で日本のNGOが活動を行っている。京都に本部をおく「特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス」。テラ・ルネッサンスは「地雷」「小型武器」「子ども兵」という3つの課題に対しカンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴなどで活動を行っている団体です。
少年兵2.jpgテラ・ルネッサンスの職業訓練所にて

少年兵3.jpg

ウガンダでは元少年兵の心のケアから教育、社会復帰までを行っている。何しろ小学生の子どもの頃に誘拐され学校に通えていないわけで読み書きが出来ない元少年兵たちが多いとも。そして戦闘行為によって人を殺さなければならなかった事実。帰還後は村人から「人殺し!」といったレッテル。被害者でありながら結果的には加害者にもなり。それが彼らのおかれた状況です。心のケア、そして読み書き算盤といった教育。そして彼らが社会に出ていける為の職業訓練などをテラ・ルネッサンスが行っています。その現場に訪れて来ました。

詳しくは帰国後にHPにてご報告させてい頂きますが、この最前線でテラ・ルネッサンスのウガンダ代表の小川真吾さんや、またインターンでボランティア活動を行っている若い日本人女性たちの姿を多くに日本人に知ってもらいたいと心底感じた。昨夜、カンパラに戻ってきましたが、頭の中の整理がまだ出来ていません。元少年兵へのインタビューも含め帰国したらご報告致します。では、これからエチオピアです。
少年兵5.jpgテラ・ルネッサンスの皆さんと

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