2013年ヒマラヤ遠征

2013/05/10

ゴーキョ村へ

今日はこれからゴーキョ村へ。平賀氏と合流します。残念な情報が。昨日もエベレストでシェルパ一名が遭難死。「クレバスに落下したのでは」との情報が入る。これで今シーズン、エベレストでのシェルパの死者は3人目。こうして毎年、シェルパの遭難が繰り返される。シェルパ基金を立ち上げヒマラヤで遭難死したシェルパの遺児たちと長年関わりあってきただけに「シェルパの遭難」という表面的な言葉ではなくその背景までが見えてしまうだけに辛い。

3カ月ぶりのゴーキョレーク。今日もアディカリ・カメラマンの指示に従いモデルに徹しました。「ケンさん、12時は太陽が真上なので顔が陰になります。顔に光をあてるために上を向いてください。眩しいけれど我慢してください。ハイ、そうです。いいですねぇ~」「ちょっと絞りますね。あっ、ISOをもう少し上げてみますね」「あっ、ダメでした。今度はISOを下げてみますね」と。僕は僕で「ハイ、分かりました。こんな感じでどうですか?」と、そんな調子で。そのやり取りがなんとも楽しくて。でも彼はなかなかの腕前ですよ。
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ゴジュンバ氷河を横断しゴーキョ村へ。ゴジュンバ氷河からは堂々としたチョーオユ峰の姿が。僕が23歳の時に初めて挑戦した8000M峰がチョーオユ。つい昨日の出来事のように感じますが、もうあれから何年? ん?まだ数年前?かな?

ゴジュンバ氷河を超えると目の前にゴーキョレークが広がる。このヒマラヤの乾いた大地で突如、湖と出会うと心底ほっとさせられる。そして氷河から溶け出した湖、特有のまるで絵具を溶かしたかのようなエメラルドグリーン。冬は大半が凍りつき厳しさを伝えていたが、春になりその表情がだいぶ和らいだ。
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午後からはやはり曇り空。夕日のエベレストとは無縁の今回の旅でしたが、相手が自然だからね、それもまた時の運です。撮り残しもそう悪くはない。次の原動力になるわけで。またこうやってヒマラヤに通うたびに新たな発見や出会いがあるもの。明日からはルクラへ向けて山を下ります。

後はルクラからカトマンズまでのフライトがどうなるかなぁ~。一発で飛んでくれればいいんですが・・・。世界一危険な空港と言われているルクラ。ちょっとでも気候条件が悪いとフライトはキャンセルになる。毎年のように墜落事故を繰り返しているだけにやむを得ないが。14日にカトマンズに戻る予定です。では。

2013年5月9日 ゴーキョ村にて 野口健

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