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2013年ヒマラヤ遠征

ゴラクシップからゾンラへ

2013年ヒマラヤ遠征

2013/05/09

ゴラクシップからゾンラへ

カラパタールを後にしゴラクシップからゾンラへ。今日はツォラ峠(5320M)を超えターナァ村へ。5時間のトレッキングでしたが、アディカリ・ミンマ君と二人で快適なトレッキングでした。峠越えはトレッカーが少ないので静かでよかった。平賀氏はゴーキョピークで撮影していて別行動なのでアディカリ君が「ケンさんはワタシが撮りますよ」と。歩いていると突然「ケンさん、そこに座って。後ろがキレイです。そうです。いや、もうちょっと斜め右の上を向いてください。ああ、いいですねぇ。では撮ります」と注文がいちいち細かい。お互いを撮りあいっこしながらの実に平和な峠越えでしたが、傍から見たら怪しい関係だなぁ~と。そういえば亮さんとウガンダのジャングルの中で同じように撮りあいっこしていたらBBCの撮影隊に完全に誤解された事があった・・・。

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ただ、昨夜のロッジは大変だった。ロシア人トレッカーの7人グループが入ってきて「あ~これはうるさくなりそうだ」と嫌な予感がしていた。彼らは酔って大騒ぎする傾向があるので。ところが予感が少しずれて何が起きたかというとメンバーの一人が夕食直前に突然体調を崩し食堂で倒れ痙攣。意識も遠のいていく様子に「ここは標高が高いから明るいうちに早くペリチェ村まで下した方がいい」とアドバイスしたものの、「ふん、余計なお世話だ」といった仕草。
そしていつまでもダラダラと倒れた彼の横にメンバーが集まり「どうする、こうする」などと話し合っている。一分一秒、早く下すべきなのに何をやっているんだ!と、もう一度だけ「下した方がいい」とアドバイスしたもののやはり聞く耳を持たないので、こちらも「もうシラン!勝手にせい!」と内心思い。
そのうち焦りだした彼らはロッジの主に「酸素ボンベを持ってこい!」と騒ぎだし。そんなもん、あるわけないだろうに。ただ、倒れた彼の状態がいよいよ深刻になり夜中にシェルパ達が酸素ボンベを探しにペリチェ村へと走り降りて行った。とにかく大騒ぎ。こうなる前に早く患者を下せばよかったのにと。
その酸素ボンベに関しても「いくらだ」と料金のことばかり心配し。同じ宿にいただけでこちらまでグッタリ疲れた。早朝、宿を出発する時、チラリと覗いたら酸素吸入されたままの彼は天井をジーと眺めていた。その後、どうなったのか分かりませんが、あの時点でポーターに担いでもらうなりして下すべきだったと。ま~そんな事がありました。高所ではあっという間に命取りになりますから、外国人トレッカー達は「もっとシェルパ達の意見に耳を傾けたほうがいい」と感じる事がよくあります。

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明日はゴーキョ村に入ります。遠征もいよいよ終盤。最後まで気を抜かずヒマラヤの旅を終えたい。そしていよいよタイのチェンマイで開催される第2回アジア・太平洋水サミットへ。気候変動によって融解するヒマラヤの氷河問題について訴えたい。

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