ヒマラヤ大震災基金によってエベレスト街道にあるクムジュン村やクンデ村に大型テントを届ける事が出来ました。
先日、クムジュン村のシェルパから届けたテントの写真が送られてきました。
写真を眺めながら思い出していたことは、ヒマラヤ滞在中に震災が発生し現場に留まりながら自分には何が出来るのかと葛藤した日々の出来事。
被害規模があまりにも大きすぎ途方に暮れていました。
日本から1人でヒマラヤに行っていたので、自分に何が出来るのか、考えれば考えるだけ寝れない夜が続き、ちょっとした余震や廊下を人が歩いた時の振動だけで飛び起きてしまったことも。相談できる仲間が近くにいなかったのも辛かった。情けない話ですが、孤独感との戦いでもありました。
しかし、シェルパたちに支えられながらなんとか踏ん張りました。
そのシェルパたちにこうしてテントを届けられた事が何よりも嬉しい。あの時の踏ん張りがこうして形になったと。あそこに留まった意味があったのだと。
ヒマラヤ大震災基金には8000万円を超える大金をご寄付頂きました。大型テント、倒壊した家屋や学校の再建に使わせて頂きます。日本の皆さま、本当に有難うございました。シェルパ達に代わってお礼申し上げます。
倒壊した建物の再建はモンスーン明けからスタートする予定です。
8月にヒマラヤに向かいます。現場の事は現場から伝えるのが一番です。最近、日本ではネパールの震災に関する報道を目にしなくなりましたが、ヒマラヤの山間部は村によっては未だに復興ではなく救援の段階です。モンスーンによる二次災害も多発しているとのことです。
東北で被災した方々が「忘れられる事が辛い」とお話しされていました。ネパールは他国での出来事ですから、なおさら関心を抱き続ける事は難しいのかもしれません。しかし、メディアには前々から感じていたことことですが、継続的に伝えていくことを大切にして頂きたい。
伝え続ける事、これが何よりも大切です。故に僕ら山屋が現場から発信していかなければならないのだと思います。とは、言いながら、またあの現実と向き合わなければならない日々が始まるのかと思えば覚悟も必要です。万全の態勢でヒマラヤに向かいたいと思います。
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