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産経新聞 野口健連載「直球&曲球」

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2018/02/08

産経新聞 野口健連載「直球&曲球」

本日発売の産経新聞に野口健連載「直球&曲球」が掲載されました。

2018年2月8日 産経新聞
『どう伝えれば、関心を寄せてくれるのか』

「冒険とはお金がかかるもの。金を集めるところから冒険は始まっている。高校を卒業した以上、これからは自分で金を集めろ。自分で金を集めることができなければ山なんか登るな」。高校卒業直後に父に言われた言葉が胸にストンと落ちた。しかし、全く無名の一学生であり、どうやってお金を集めるのか途方に暮れ、父に尋ねたら「俺は役人だ。金の集め方なんかわからない。自分で考えろ」と。
 
まだインターネットがない時代。企業を調べるのも簡単ではない。会社四季報なる本を手に入れ、片っ端から企業に電話をかけ続ける。しかし、話を聞いてくれる企業はなかなか現れない。憂鬱になりながらも電話をかけ続けるしか「先」はなかった。

何しろエベレスト挑戦には1千万円以上かかる。登山計画書にはエベレストへの思いや情熱を書き込んだ。しかし、ある企業に持っていった際に「山登りとは所詮はお遊びでしょ!」「なんで君のお遊びにお金を出さなければならないんですか」と。返す言葉もなかった。「エベレストに行きたい」と一方的に伝えても通用しなかったのだ。

何ゆえに企業が僕の冒険を応援するのか、企業側の方向性や商品なりと僕の冒険がピタリと合わさるようなストーリーを描いて持っていかなければダメだと。何日もかけ、どのメーカーが冒険物に力を入れているのかを調べた。多い時には年間130社にも連絡し、歩き続けた。

苦戦の日々が続いたが、あの時の経験が今につながっている。例えば富士山の清掃活動は今年で18年目になるが、最初の数年間は清掃キャンペーンに年間100人も集まらなかった。どのように伝えれば人々が関心を寄せてくれるのか、ずっと考えながら工夫をしてきた。今では、年間約7千人が富士山清掃キャンペーンに参加してくれるようになった。そのおかげもあり、富士山のゴミも、だいぶ片付いてきた。

学生の頃は、「冒険の実現のため」に伝え、今は「活動を広げるため」に伝えているが、頭の使い方は同じ。これからも活動を続けながら伝え続けていきたい。
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