9月に実施した支援活動を報告させていただきます。
9月6日の早朝3時7分、最大震度7の地震が北海道胆振地方を激しく揺らしました。
震度7は震度を表す階級で最も高く、1949年の導入以来5度目の観測です。
近年では2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震に続きます。
胆振地方は札幌市の南東に広がる地域です。
震源の深さは37km。
札幌市と北広島市では液状化による被害が発生し、胆振地方の厚真町、安平町、むかわ町では広域にわたる大規模な土砂崩れが発生しました。
土砂崩れは家屋でけでなく、尊い命を奪いました。
人的被害として、41名の尊い命が犠牲となり、特に震源地に近い厚真町では36名が亡くなりました。
写真は新千歳空港着陸直前の機内から見えた現地の様子です。
写真中央部は広域にわたって発生した土砂崩れの状況です。
物的被害は現在も調査中のため、日々情報が変わっています。
一時は北海道全域に停電をもたらしました。
住民避難は北海道全体で累計16649名を記録。
今も400名を超える方々が避難生活を送られています。
発災3日後の9月9日、ピークエイド代表の野口健とスタッフは支援物資の毛布1000枚を北海道苫小牧市に届けました。
北海道での発災を受けて、ピークエイドと災害時支援提携を締結している岡山県総社市は、支援物資として毛布1000枚を北海道の被災自治体に提供することを決断。
総社市は平成25年、全国の他の自治体に先駆けて「総社市大規模災害被災地支援に関する条例」を制定し、時の市長の権限において即座に被災地支援が行える体制が整えられています。
これまでに全国各地での支援活動に従事してこられました。
ピークエイドは熊本地震でのテント村支援を皮切りに、総社市と合同で支援活動に携わっています。
災害時の支援活動を円滑に実施することを目的に、ピークエイドと総社市は2017年、災害時における協力関係を締結しました。
総社市は7月の西日本豪雨で被災し、これまでの支援側から被支援側となります。
今回、復興に向けて全力を尽くしている最中で、北海道支援にあたっての職員派遣は難しい状況にありました。
そのため、総社市との協議により、ピークエイドは総社市が用意した毛布1000枚の輸送を担当することとなります。
受け入れ行政は総社市長のネットワークによって、苫小牧市に決定。
苫小牧市は比較的被害が少なく、地震の被害が大きい近隣の安平町、むかわ町、厚真町の3町を支援する体制が整えられていました。
お届けした毛布は即日、安平町、むかわ町、厚真町の各町に輸送され、避難者の方々に配布されました。
また、ピークエイドはピークエイド単体の支援活動として、9月18日、全国の皆様から集まった支援物資を北海道の被災地にお届けました。
9月8日「野口健・ピークエイド北海道地震基金」を立ち上げると共に、支援物資の募集を開始。
これまでの災害支援活動の経験を生かし、様々な支援物資の募集を呼びかけました。
募集締め切りの9月14日までの7日間で全国各地から260件以上を超える個人、法人の皆様から15000点以上の物資が届きました。
今回、支援物資が入ったダンボール箱には内容物とその数量、送付者情報を記載したメモを入れていただきました。
メモのおかげで、情報の取り扱いが容易になりました。
集まったダンボール箱は、一度開梱して、同じ物資が集まるよう仕分けし、梱包を実施しました。
梱包したダンボール箱には、中身がわかりやすいように、内容物と数量を記載します。
多くのボランティアの皆さんに作業を手伝っていただきました。
上記の作業は西日本豪雨で被災した総社市の支援物資受け入れの対応を参考にしました。
総社市の物資受け入れ担当者とお話をして、どのようにしたら受け入れ側に負担がかからないか検討した結果です。
9月16日、支援物資をトラックに積載し、受け入れ先である北海道苫小牧市へ向けて輸送を開始しました。
陸路とフェリーで本州と北海道をつなぎ、9月18日、全国各地から届いた物資を苫小牧市役所にお渡しました。
お渡しした物資は苫小牧市が被災行政への輸送を担当。
当日のニーズに合わせ、支援物資の一部のソーラーランタンやタオルは即日、野口が被災自治体のむかわ町、厚真町、安平町に直接お届けに上がりました。
一週間前の毛布のお届けをご縁をきっかけに、苫小牧市が被災行政との橋渡し役を担っていただきました。
お届けにあがった安平町では、及川秀一郎町長と懇談し、現状や今後の展開についてお話しさせていただきました。
ピークエイドは9月26日、「支援返し」として北海道苫小牧市が用意されたお米を岡山県総社市にお届けました。
9月中旬、総社市の被災者の方々は避難所生活から仮設住宅生活に段階が変わっていました。
住まいの状況が変わると同時に、食生活はお弁当から自炊に移行。
こうした状況で、ピークエイドスタッフは豪雨で被災した避難者の方々の多くが、自宅の米倉も浸水被害にあったと聞きます。
被災者の多くの方々は通常、お米を栽培されているそうです。
なかには被災を機に 「人生で初めてお米を買うことになった」という方もいらっしゃいました。
このような背景をうけて、ピークエイドはお米の提供を検討します。
検討段階で、北海道地震で訪れた胆振地方に広がる稲穂がたなびく風景を思い出します。
支援物資を届けた縁を頼って、苫小牧市にp米の購入方法を相談したところ、
総社市にいただいた支援のお返しとして、ピークエイドに代わってお米を提供したいとお話をいただきました。
そこで今度はピークエイドがお米の輸送を担当させていただきました。
必要量の500kgをお届けしたかったのですが、工場の都合上、第一段階として100kgをご用意いただきました。
お届けしたお米は、苫小牧市を含む、胆振東地区ブランド米の「たんとうまい」です。
胆振東部地区は北海道胆振東部地震の被災地です。
仮設住宅やみなし仮設の入居者に一世帯あたりおよそ10キロずつ配布されます。
仮設住宅で行われた式典では、偶然にも苫小牧市出身で昨年総社市に引越しされた方がおり、「久々に故郷のお米が食べられる」と喜んでいただけました。
また、ピークエイドは同日、ピークエイド提供として、下記の支援物資を総社市に届けました。
下記の物資は総社市の要請によって、提供させていただきました。
ネコのトイレ用品100袋
トイレットペーパー2000ロール
米500kg(事務所がある山梨県のブランド米、梨北米。)
今回の支援活動は下記企業のご協力をいただきました。
株式会社ナベカヰ
林製紙株式会社
JA全農山梨
今回ご支援を下さった個人、法人の皆様、また連携体制をとらせていただいた苫小牧市、総社市に心より感謝申し上げます。
ピークエイドは引き続き責任を持って支援活動を展開していく所存です。