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2001年エベレスト清掃登山 , ネパール

ロイヤルネパール航空からネパールを思う

2001年エベレスト清掃登山 , ネパール

2001/05/29

ロイヤルネパール航空からネパールを思う

5月26日朝から胸がワクワクとときめいていた。今夜、ロイヤルネパール機に乗り込み27日早朝には帰国できる。ああ~2ヶ月ぶりに湯船につかれる。寿司も食べられる。そして、大相撲の千秋楽の日でもあり、貴乃花の優勝の瞬間も見られるだろう。とにかく、禁断症状がでるほどに、帰国したかった。

夜9時30分、トリブバン国際空港に到着。ロイヤルネパール航空のカウンターを目指したが、誰もいない。一瞬、いや~な気がした。ロイヤルネパール関係者と見られる男が我々のもとへやってきて、なにごともないような顔をしながら

「今日のフライトはキャンセルになった」

とケロリといってのけたのには唖然とした。

「キャンセル!エンジントラブルか、それとも天候か」

と慌てて聞くが、そのあまりにも衝撃的な返事に私は力が抜けひっくりかえりそうになった。

「ロイヤルネパールは燃料費が払えない。石油会社から燃料の供給を止められた。払えないんだから、しょうがない。」

「・・・・・」

理解するのに数秒かかった。燃料費がなくて飛行機をキャンセル。俺の家の電気じゃあるまいし、半国営航空のロイヤルネパールが燃料費滞納のあげく、差し押さえられ、その哀れな結果フライトキャンセル。あまりにもアホらしい内容に、怒りというよりも、呆れ果ててしまった。

また、悪いことが重なるかのようにロイヤルネパール航空の幹部が賄賂等の不正が発覚し逮捕。さらに追い討ちをかけたのが、27日~29日にかけてネパールの共産主義運動がカトマンズにて全面ストライキを強制的に呼びかけ、町中が機能しなくなった。どの店も営業せず、営業した店には火を放すと共産主義の輩の脅かしに恐れおののきタクシーすら見かけず、町中が死んでしまったような静けさであった。時たま、救急車が町を行き来していたが、その救急車にまで共産主義の輩が石が投げつけ、平和なネパールも共産化運動と共に治安が悪化していく。共産主義化していけば、当然ネパール王室への風当たりも強くなる。

地方では連日のようにマオイスト(左派ゲリラ)の警察へのテロが続出。犠牲者が1000人を超える惨事となっている。平和であったネパールが変貌しようとしている。外国からの観光が主な収入源であるネパールにとって治安悪化は国益最大の危機である。毛沢東主義と名乗るマオイスト連中がこの国を滅ぼすのか・・・。心配でならない。 

結局は28日のタイ航空のチケットがとれ、29日の早朝に成田に到着。長かった旅がようやく終わった。貴乃花も怪我に耐え、奇跡の優勝を果たした。帰国と同時に感動!日本に帰れて本当に良かった!

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