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大坪千夏さんと屋久島に行く 前編

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2002/03/25

大坪千夏さんと屋久島に行く 前編

 

 フジテレビの「晴れたらイイねッ!」で企画された大坪千夏アナとの屋久島の旅。昨年、11月にやはり大坪千夏さんと同番組の企画で八ヶ岳に登った。それ以来、「晴れたらいいね」は頻繁に見るようにした。

 前回「晴れたらイイねッ!」の八ヶ岳ロケは、番組製作会社「テレコムスタッフ」のメンバーや大坪千夏さんとの登山でとても楽しかった。

 仕事で登山しているのに、こんなに自由にやらせてもらっていいのだろうかと思うほどに注文がなかったのがうれしかった。だいぶ慣れてきたとはいえ、どうしてもカメラを向けられてしまうと、どこかでかまえてしまう。大坪千夏さんの魅力も手伝って、すっごく自然体で撮影を行うことができた。

 今回、エベレスト出発直前に5日間「屋久島」で新たにロケを行った。通常このスケジュールは無謀なのだが、今回ばかりは特別。今回も同行するのは、大坪千夏さん!! 出発前から楽しみにしていた。

 3月17日、屋久島に到着。昨年の12月に続き2度目の屋久島。やはり、その日は雨が降っていた。というのは、
「屋久島は年間350日 雨が降る」
と言われるほど雨の日が多い。屋久島ではいつも以上に、雨具など防水対策には気を使う。ザックに詰める衣服や寝袋は、ビニール袋でしっかりと包む。
今回のロケは、白谷雲水峡~ウィルソン株~縄文杉~新高塚小屋~宮之浦岳~淀川小屋の一泊2日のコース。九州最高峰の宮之浦岳(1935メートル)の山頂で雨に降られれば
「寒いだろうな~」
と覚悟はしていた。

 しかし、17日の雨が嘘のように18日からカラッと晴れた。
「晴れたらイイねッ!」の番組にふさわしい天気(?)だった。
白谷雲水峡から屋久島に住むガイドの大田五雄さんと合流。太田さんとは昨年のチョモランマで知り合い、それから交流を続けてきた。昨年12月に屋久島を訪れた際も大田さんが案内してくださった。大坪千夏アナ、大田五雄さん、そして僕の3人。2時間も歩くと一面コケの森になった。触るとフワフワしていて、触っているうちにうとうとと眠たくなった。登山者には過酷な雨だが、その雨のおかげで豊富なコケが育っているのだそうだ。

 コケに囲まれていると、あの「もののけ姫」の舞台がまさしくこの場であることが分かる。そして屋久島の森の特徴に木の根っこが地中にもぐらないで地表ををぐちゃぐちゃと這う。ぐちゃぐちゃと表現したのは、一本の根っこではなく、他の木の根っことからみつき、一体どの木の根っこなのか分からないほど、複雑に根っこ同士が結びついているから。屋久島は岩盤で出来上がっている島であるために、実は土が少ない。木は地中に根をはれずに、横へ横へと伸びて地表に出てくるのだそう。台風が多い屋久島では地中に潜れない木の根っこは他の木の根っことからみつき、互いを支えあっているのだそう。

 しかし、登山者が歩く登山道の根は踏まれ続け、弱り、その結果登山道周辺の木が台風の影響でバタバタと倒れてしまったそうだ。根っこと根っこのつながりを絶てば、その周辺全体の支えあいまで切り離すことになってしまう。一本の狭い登山道が及ぼす被害は深刻だ。

 そしてさらに驚かされるのが、森の生命力。杉の大木から、別の木が生えている。木に付いているコケが腐葉土を作り、そこから他の種類の木が誕生する。一本の木から何種類もの木がさらに生える。なんとも不思議な光景だった。地面では太陽の光が届かず木は生長しない。それならば、大木の上部部分から生えてしまえば日光を受けやすくなるという理屈。とにかく、がめつい! 倒れた木にも容赦なく根を張っている。

 こうして、倒れた木から新たな木が生える。腐りかけた倒木が作り出す腐葉土と、木が倒れた影響で日光が入りやすくなり、木々は栄養と日光を奪い合い、厳しい生存競争をおりなす。生き残れるのは数本だけ。

 屋久島の森にいると、戦国時代の武将のようにそれぞれの戦略で、森という厳しい生存競争のなかで、競い、時に支えってる姿を感じることができる。

結局、白谷雲水峡から新高塚小屋まで撮影時間を含めると14時間もかかってしまった。それでも大坪千夏さんは強い。体力的にもそうだが、それ以上に精神的にタフだ。バテてからの、粘りが強い。それでいて文句は言わない。寒さが厳しい冬の八ヶ岳も苦しさを楽しさに変えていた。他のスタッフにも気をくばり、いつでも笑顔を絶やさない。そしていつでも自然体。一緒にいるとこちらまで幸せな気持ちにさせてくれる。屋久島の森と大坪千夏さん、撮影スタッフに囲まれ僕はこの上なく幸せだった。

 翌日19日は、宮之浦岳に登頂。山の山頂から海を眺めると、山頂では360度海に囲まれていることがよ~く分かった。この日も雲ひとつない絶好の天気でうっすらと種子島や九州本土の姿が確認できた。

 屋久島の山は水の宝庫だ。澄んだ水が湧き水となって、海に流れていく。山も海もつながっているのだ。僕は屋久島の山の中で水の存在を充分に感じ取っていた。

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