2002年エベレスト清掃登山 , ネパール , 戦争

2002/04/01

カトマンズ到着

 

成田空港にて、大量にあるに荷物をX線検査機に通す
飛行機の中ではひたすら寝る…
カトマンズの空港に到着。写真に写っている荷物は、ほんの一部です
カトマンズに到着後おそってきた下痢にぐったり
街中いたるところに兵士の姿が…

 3月29日、三度目のエベレスト清掃登山の為にネパールへと向かった。今回は全日空さんのご協力もあり、バンコク経由でカトマンズに向かうこととなった。前日までの忙しさも手伝って、バンコクに向かう機内の中では死んだように眠りこけた。時たまふと目覚めると頭が痛む。熟睡しすぎて頭が酸欠になったんだろう。

  しかし、そんなノンビリもバンコクについて吹っ飛んでしまった。翌日のタイ航空に乗り換え、カトマンズ入りする為に、600キロある荷を預けなければならない。しかも、税関を通せばいくら請求されるか分からないので、空港内でなければならない。30個ほどダンボール大の荷物をカートで何往復もしながら運び出しだけでも一苦労なのに、それらを預ける手続きは数時間にも及んだ。無事に預けて飛行場を出たのはバンコクに到着してから3時間以上も後のことだった。汗だく、クタクタだった。

  その夜、仲間達とタイ料理を食べに行った。適当に注文したら生のエビをニンニクで包む料理が出てきて、
「なんとなくやばそうだな~」
と思いつつも食べてしまった。そして毎年お決まりの腹痛に下痢に襲われた。

  まず、スタッフのひとりがカトマンズ行きの飛行機のなかでトイレから離れられなくなり、
「腹が痛む」
と青白い顔しながらスチュワードさんから薬を頂いていた。その頃、僕自身はなんともなく、笑ってみていたが、カトマンズに到着してから、ほっとしたのか、突然腹痛に襲われ、トイレに駆け込んだらパンツを下ろすと同時に
「ジャー」
とトイレに液体に姿を変えた「大」が勢いよく吹いた。危機一髪だった・・・。

  ベットに倒れ込んだが、つぎはひどい腹痛に苦しめられた。額を冷や汗でびっしょりにして
「もう当分、エビは食べないぞ!」
と肝に銘じた。

 カトマンズはマオイスト(毛沢東支持者)の政府関係者へのテロ活動が激しさを増したのか、いたる所で兵隊が機関銃を肩にかけながら検問している。町のあちらこちらに鉄縄文のバリケードが敷かれ、緊迫している状態だ。ネパールも物騒になってきた。

  以前、「みんなにヤッホー」で「ネパールの明治維新」というタイトルでマオイストについて書いたが、カースト社会に対する民衆の反発が共産主義化へ拍車をかけている。国民の多くが低カーストの出身だ。一部のハイカーストに牛耳られてしまっているネパール社会。差別社会を合法化しているカースト制度。共産主義化していく不安を感じる反面、僕自身もネパールのカースト社会には疑問を感じる。

  もし、僕がネパールの低カースト出身であれば、マオイストの活動に参加しているかもしれない。言論の自由や人権などがない低カースト層の人たちが、カースト制を崩すためにはテロ活動しかないのかもしれない。国を混乱させ、内戦へと拡大し、カースト社会の象徴ともされる王制を追放し、新たな民主主義社会の誕生へ戦っていく方法が成功する確率も実行できる確立も高いと考えられるからだ。

  ネパールの貧しい庶民から支持されているマオイストの目指す方向性に一定の理解を示しながらも、軍との殺し合いが絶えない現状に胸が痛む。

  犠牲なくして正義は勝ち取れないのだろうか。

  最近ではパレスチナ問題が危機的な状況だ。また、先月だったか、インドでイスラム教徒とヒンズー教徒の双方が大量殺戮を繰り返した。イスラム教徒の大人がヒンズー教徒の子供の頭からガソリンをかけ火を付け殺害したとのニュースにショックを受けた。復習合戦では多くの命が奪われ、結局は憎しみしか残されなかった。日本にいると平和なのが当たり前だと錯覚してしまうが、人が人として生きていけることの重要性を改めて、ここネパールでかみ締めていた。

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