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2003年エベレスト清掃登山 , エネルギー , ヒマラヤ

一筋縄にいかないのが環境問題

2003年エベレスト清掃登山 , エネルギー , ヒマラヤ

2003/04/15

一筋縄にいかないのが環境問題

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エベレストの清掃活動から感じてきた環境問題。当初はエベレストに散乱しているゴミ回収のみに集中すれば良かったのだが、何故に日本隊やアジア系の登山隊のゴミが多いのかと疑問を抱くようになり、それが例えば環境教育の遅れや日本社会の環境に配慮した法的な取り組みの先送りからきているものなのか、などと考えるようになった。それから旱魃で苦しむアフガニスタンや海面上昇でその国土を失いかけているツバル諸島に出かけてみて、いずれも地球温暖化の被害地を目の辺りにしていやおうなしにもその切迫した危機感を感じずにはいられなかった。それから環境問題について多角的な視野を待たなければと環境問題に取り組む専門家(大学教授や評論家)や政治家から意見を聞いて来た。その中で未だに自身の中で結論を出せていないのが原子力問題。以前、ある地方の電力会社主催で講演会を行ったが地域柄もあり原子力発電に対する抵抗が強かった。講演自体は自身の生い立ちや7大陸最高峰への挑戦、そして清掃活動でありエネルギー問題には触れなかったが後に「電力会社主催での講演活動は間接的に原子力発電を擁護する」との意見が何件か私の元へ寄せなれた。その頃、私の親友であり絶対的に信頼している某ライター氏と深夜までワインを飲んだくれながら原子力発電について議論を交わしていた。頑固な彼とはよく議論をする。政治問題しかり、例えばこの度のイラク戦争についてもそうだし、いつでも議論が絶えないのだが、その彼がいつにも増してこだわり続けたのが原発問題。
「原子力は絶対悪」
だと主張し、
「野口君は環境問題に取り組んでいる以上、原子力を認めちゃいけない!」
と強く問いかけてくるのだが、素直にうなずけず四苦八苦していた。京都議定書でも最大のテーマであるCO2や温室ガスの削減が世界(アメリカを除く)のテーマとなっている今日においてCO2を撒き散らす火力発電を増やすわけにもいかず、特にアフガニスタンでの悲劇を体感してきてからはなおさらその思いが強くなった。となれば火力発電も NO、原子力もNOとなればどのようにして1億2000万世帯の日本国民の生活を維持していくのだろうか。厄介なのが環境に対して専門家とされている方々は環境に対する知識を持っているからこそなのか、あえて原子力発電の是非に関しては言葉を濁す。その中で「環境の石原」と呼ばれている都知事は
「IAEA(国際原子力機関)は、世界全体で日本の管理体制が一番進んでいると評価している」
東海村での臨海事故についても
「一番世界で人気あるトヨタの車だって運転手が下手だったら事故を起こす。しかし、それをもってトヨタの車がいけないってわけじゃない」
「日本国民の無知から来る過敏な核アレルギー」
「極端なことを言ったら東京湾に原発を造ったっていいというぐらい、実は安全なんだ」
と公の場で発言されている。それでも都民のみならず日本国民からの支持はまったく衰えを知らずそれだけでなく石原総理誕生が根強くささやかれている。エネルギー問題だけが知事や総理の役目ではないとしても、露骨な原発推進派が国民に受け入れられ必要とされている辺りが、日本人にとっての原発に対する姿勢がよくわからなくなる。石原都知事の発言の全てが正しいとは思わない。少なくとも車の事故と原発の事故とはその被害は比較にならないわけで、トヨタを引き合いに出すところは理解に苦しむが、しかし、毎年夏になると東京電力が莫大な費用を投じてテレビコマーシャルで
「電気の使いすぎに気をつけましょう」
とやっているが、どこの企業が自ら多額な費用を投じて自分たちの商品を買いすぎないようにとテレビコマーシャルをするのだろうか。自動販売機が氾濫し人々は24時間営業のコンビ二にすがり、夜中になっても繁華街のネオンに群がり、効きすぎたクーラーで風邪をひいたり、空気清浄機で自らが吐き出したタバコの煙を浄化していながら、何故に原発反対を唱えられるのだろうか。火力発電の環境負荷と原子力発電で重大事故が起きたときの予想不可能なあまりにも大きすぎるリスク。「反原発」というスローガンはほとんど誰も異を唱えないだろうけれど、本当にそれだけでいいのだろうか。原発や火力発電に頼らない社会をどのようにすれば実現できるのか、理想論を超えた現実的な視野のなかでこのエネルギー問題を捕らえていかなければならないんじゃないかと、自身の中にも自己矛盾を抱えながら、一人ナムチェバザールの夜に考え込んでいたりしています。

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