エコツーリズム , ガラパゴス , レンジャー・ガイド , 小笠原

2003/07/19

東洋のガラパゴス、小笠原諸島へ

 


 ガラパゴスから帰国した2週間後に小笠原諸島へ向かった。ガラパゴスでの感動がホットなうちに小笠原に訪れ本家ガラパゴスと東洋のガラパゴスといわれる小笠原諸島を自身の感覚で比較してみたかった。東京から南南東に約1000キロ。東京からは定期船で25時間。500種類にも及ぶ固有動植物などから「東洋のガラパゴス」と称されている。
「感覚」でこの小笠原とガラパゴスを感じるためにはガラパゴスでの衝撃がいまだ自分の中で生きている時に行かなければならない。

 小笠原諸島とは今までにも縁がないわけではなかった。2年前から東京都で始まった「小笠原環境保護委員会」に委員として参加し、そこでエコツーリズムへの取り組みや、観光客による環境破壊の実態、そしてその対応、観光客の受け入れ態勢など、ジャック・モイヤー氏や椎名誠氏らと協議してきた。しかし、小笠原諸島に訪れたことのなかった僕にはアイディアはあるものの発言する度に辛かった。現地を知ってこそ初めて自分の発言に責任がもてる。

 石原知事の強い要望もあり、この4月から日本初の行政主導のエコツーリズムが小笠原諸島の南島や母島の一部で実施された。観光客によって植物が踏み潰され、また、ラピエという石灰質の奇岩が削られているにもかかわらず、国立公園の監督者である国はなんら対応していない。そこで石原都知事は空港建設地問題を凍結しただけでなく、都の公認ガイド制度をスタートさせ、エコツーリズムを具体的に推進し始めた。タンザニアやガラパゴスで体験したエコツアーからエコツアーの存在あっての環境保護や地域への経済的な活性化などを目にしてきた。「環境保護」と「観光開発」のバランスがなければ環境保護は持続していけない。タンザニアやガラパゴスではエコツアーがその役目を担っていた。さて、小笠原諸島ではどのようにエコツアーがスタートしたのか、その実態を探るべく小笠原諸島に向かったのである。
 

 

 

 

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