エコツーリズム , レンジャー・ガイド , 小笠原

2003/07/22

南島への上陸

 



 山田氏はスキューバーだけでなく島の様子やエコツアーの実態などを現場に訪れながら説明してくれた。二日目に案内して頂いたのは南島。世界でも珍しい沈水カルスト地形の南島は、小笠原国立公園の特別保護区にも指定されている。父島から南西1キロに浮かぶ特別な島に山田氏のモーターボートで向かった。まずサメ池という入り江から上陸するのだけれど、陸に上がる前に山田氏から靴を洗うようにと指示された。ガラパゴスでも日課になっていた島に上陸する前の靴洗い。よく見ると靴の裏には土や砂のようなものが付着している。つまり、付着している土の中に本来その土地にない植物の種などがあるかもしれない。固有種や天然記念物が多い南島に本来 そこにない物を持ち込ませないのが目的で靴を洗うのだ。山田氏が
「ほら、ボートの下にサメがいるよ!」
と指差すほうに確かに黒い影がいくつも見える。ネブリブカというおとなしいサメ。上陸してからは緩やかな坂道を登っていく。その坂道を越えた瞬間、目に飛び込んできた景色に思わず絶句した。真っ白なビーチに侵食された石灰岩がブリッジのように海と砂浜の間にかかっている。世界でも珍しい侵食された石灰岩が地殻変動により沈降した沈水カルストという地形だとのこと。しかし、どんな説明よりもこの絶景が「特別な場所」だということを証明している。

 その真っ白な砂浜は砂ではなく、貝殻の粉だという。その砂浜(貝浜?)にいくつもの化石化した平べったい貝がある。ヒロペンカタマイマイという小笠原固有種貝類であり、1000~2000年前に絶滅した種だ。白かったり薄ピンクだったり、とても可愛らしい化石化した貝殻で、以前はこっそりと持ち帰ってしまった旅行者が多かったようだが、最近になって南島の保全が注目され、固有種に限らずそこにあるものは持ち出してはいけない、移動させてもいけないとガイド達が説明するようになり、それが方々に伝わったのか以前 こっそり貝殻を持って帰った旅行者が郵便などで 小笠原に送り返してくるようにまでなったそうだ。この南島は固有の植物も多い。面白かったのがまだ進化している最中の植物と出合ったことだ。同じ種類でありながら、生殖している場所が異なるだけでその大きさや色が異なるとのこと。小笠原には未だに完成していない植物がいる。この「野生の島」に僕はすっかりと虜にされてしまったようだ。
 

 

 

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