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夏の暑い戦い

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2005/08/11

夏の暑い戦い

ついに小泉総理が大きな決断を下した。8月8日、その日、自然学校のため私は愛知万博にいたが、仲間から携帯にメイルに「参院本会議で郵政民営化法案否決」という知らせが届いた。まあ、そうなっちゃうかなぁ~と予測はしていたものの、ああ、こりゃ大変だ、と思っていた直後に号外が万博内でも配られ、灼熱地獄の万博でこの夏はさらに暑くなるのかとドキドキしていた。

 夜、ホテルに戻りテレビをつけたらちょうど小泉さんが生中継で国民に解散への決意表明しており、釘付けになって見入ってしまったが、あの小泉さんの気迫、覚悟、そして腹をくくった表情に正直、僕は圧倒された。小泉さんがしきりに「なぜ反対するのかわからない」と繰り返していたが、それはそうだろう。小泉さんは総理大臣になるはるか前から郵政民営化を訴え、そして総理大臣に選ばれ、国民からも圧倒的な支持を得た人だ。

 何年か前に郵政民営化論(PHP 1999年12月出版 1550円)という本を買ったことがある。小泉純一郎氏、そして民主党の松沢しげふみ氏によって作られた本であるが、改めて読み直してみたら郵政民営化研究会なるものの、メンバーに民主党の名前がずらりとならび彼らの民営化への思いがつづられていた。

上田 清司 氏(民主党・衆議院)


郵政事業における民間参入業者との競争によってコストを下げサービスが向上するなど国民にとってプラスが多いことは諸外国の例を出すまでもない。民営化にむけて活発な提案をしたい」(216P)

 

島さとし (民主党・衆議院)


日本における闘いの相手は、巨大な権限・財源をもった官僚機構とそれに結びついた族議員である。この典型が、郵政事業を巡る論争であろうと思う。私の目標は、官僚機構、族議員と闘い、日本を改革することにある。そのためにはどんな圧力にも屈しない。「すべては、信念から始まる」のである。これが、郵政民営化研究会に参加した理由である。(217~218P)

 

田中甲(民主党・衆議院議員)


郵政民営化反対の理屈は限りなく多いが、概して自分たちの既得権を守るための理屈である。1997年8月、当時の橋本首相は自らのリーダーシップの下、郵政三事業の一部民営化を発表した。不完全なものであるとはいえ、そのとき、野党の国会議員である私でさえ「敵将ながらあっぱれ」と思ったものであった。(219~220P)

 

樽床伸二 (民主党・衆議院議員)


「郵政民営化」という言葉の中には、「郵政局悪者論」や「郵便がなくなってしまう」といった多くの誤解がある。そのことは、事の本質を見破り、問題を 矮小化してしまう危険性があろう。(221~222P)

 

藤村修 (民主党・衆議院議員)


郵政事業も、民間のさまざまなサービスと競争しながら生き残りをかけて料金、サービスを競うことは必須課題です。そして消費者にとっても郵便料金値下げやサービス向上は大きなメリットとなるはずです。それは将来、これら事業が民営化されることも当然の方向として考えていくべきであると思います。(231P)



前原誠司 (民主党・衆議院議員)


私は1996年10月の衆議院議員選挙において「郵政三事業民営化」を公約として選挙を戦った。財政再建は財政投融資改革なくしてできない、そして財政改革はその原資である郵政貯金や簡易保険が自動的に流れ込む仕組みを変えないとできない、という一政治家の信念からだ。(232P)


 ここに紹介したのは一部を抜粋したものだけれど、民主党の方々の中に本心は郵政民営化に賛成している方が本当に一人もいないのだろうか?だとすると上記の先生方の熱いメッセージはなんだったのだろう。気が変わってしまったのか、それとも部分的に小泉さんの郵政民営化論と異なったのか、それならば反対一色ではなしに、もっと積極的に代案をだされるべきだろう。その部分が見えてこない。野党であるがゆえの反対ならば政権政党を目指すのには無理があるだろう。

 そしてもっと分かりづらいのが、小泉さんは首相になるずっと前から郵政民営化をスローガンに掲げていた。しかも、郵政民営化は小泉改革の背骨であり脊髄だ。その彼を自民党の総裁に選んだのは誰でもない自民党の議員たちだ。

 2000年の総裁選では亀井静香氏は自らの立候補を辞退してまで小泉指示に回った。そして小泉内閣が生まれ、民営化を国民に公約し、それが具体的になってくると造反する。小泉人気で選挙を戦い、選挙が終われば自分らが選んだ総裁を縛り付ける。選挙の顔としてだけ利用したとするならば、バカにするなよ!と怒りもわいてくる。また、欠席、棄権ってなに?逃げ?それともノーアイディア?自身の考え方も明確にできない方が国会議員をやっていていいのかなぁ~。
 
  小泉さんが造反者を公認しないと決めたのは当然といえば当然だろう。仮に公認していたら、何のための解散かまったく意味がわからない。過半数取るためだけの、政権与党に執着するだけの自民党ならば、そんなものは下野したほうがいい。いずれにせよ、今まで日本の政治はどうも分かりにくかった。権力の二重構造ともささやかれていた。自民党の中もバラバラ、民主党しかり。ある意味、明確なのは共産党だったりするのだが・・・。この選挙では、自民党、公明党、民主党、そして造反した人たちの訴えをよ~く聞きながら、僕も無知な知識に諦めず誰を応援し、誰に投票するのか、真剣に参加したい。

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