森林関係 , 自然保全

2006/11/09

伊勢神宮参拝

霊峰である白山で、40年ほど前から白山比咩(しらやまひめ)神社が地元の行政に呼びかけ、清掃登山を日本で最も早くスタートさせたことは前回触れた。その事実に触発され、自然崇拝に興味を持った私は日本人の心のルーツであり、2000年来、自然を崇拝してきた伊勢神宮に訪れてみた。

 驚いた事に伊勢神宮には20年に一度、御社殿などをまったく同様に新しく作り替える式年遷宮というシステムが1300年も続けられていることだ。


 日本には世界最古の木造建築とされる法隆寺がある。当時から建築物を後世まで残す技術はあったのになぜ、伊勢神宮では20年に一度、造り直すのか。伊勢神宮の神職の方に尋ねると「20年というのは技術を伝承する為にも合理的な年数でもあります。そのおかげで1300年もの間、日本の伝統技術が伝承され、神宮は古代から伝わるお姿を保ちながら常に新しいお宮であり続けたわけです。また解体された古い木材は、全て他の神社の建て替えや、災害の復旧時に差し上げ、木材の切れ端まで再利用されます」昨今、リサイクルに関して方々で取り上げられるが、こういった思考法は昔から日本にはあったわけだ。

 

 式年遷宮には大量の木材が必要になるため、神宮の背後には世田谷区(5,500ヘクタール)ほどの宮域林がある。大正12年に式年遷宮の木材を全て神宮内の森でまかなえるように、檜の造林が開始された。200年かけて檜を育てていくという遠大な計画だ。日本全国の森を歩いてきたけれど、大半は針葉樹ばかりの人工林。生き物も少なくまるで海底にいるようにシーンと静まり返っている。

外宮参拝

  しかし、宮域林は森林生態系の調和を図るために広葉樹との混合林。その為、日本の野鳥の4分の1もの種類が生息し、絶滅にひんした種もいる。木に祈り、感謝し、そして謹んで使わせていただく。そして新たな木を植えて森を再生させる。式年遷宮は木の再生のお祭りとも言える。

 日本人の「山の神」「水の神」といった概念は理解されにくいのかもしれない。しかし、日本人特有の自然と人のかかわり方、共生のあるべき姿を、もっと世界に伝えていくべきだろう。

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