2007年エベレスト清掃登山 , チベット

2007/04/07

変わり果てたラサ

4月5日、バタバタと忙しかったカトマンズを脱出。エベレストの真横を飛びチベットの首都ラサへ。機内の中からエベレストが真横に見え観光客はみな「わぁー」と歓声を上げていたが、あの山頂をこれから目指そうとしている私としてはとても直視できずチラッとだけしか見なかった。

機内からのエベレスト 写真中央の雲の中がエベレスト山頂.
機内からのエベレスト 写真中央の雲の中がエベレスト山頂.

なにしろこの飛行機と同じ標高まで自分の足で登らなければならないのだ。また、エベレストの山頂付近は強風のためだろうか、雪煙が舞い上がっており、また山頂付近は薄っすらと暗くなんとも不気味であった。エベレスト山頂は雲の中に隠れほとんど見えなかったが、あの雲の中に登っていくのだと思うとゾクッとした。ふと自分の足に手をあて「お前さん、あそこまで登ってくれるかい?いや、登れそうか?」と自分の足に聞いてみた。さすがにビビッてしまったようで、シーンと静まり返っていじけていた。「そりゃそうだよなぁ~」とまた足をさすりながら「酷使してばっかりでごめんなぁ~。これが終わればしばらくゆっくりと休もうな」と足に話しかけていた。

ラサに着いてからは低酸素に体を慣らすために3泊ゆっくりと観光。しかし、ラサ入りの前夜から急激な胃痛に襲われ、谷口けいちゃんとカメラマンの淳君は観光に出掛けるものの私は一人ホテルの部屋で寝込んだ。痛みがなかなか立派で久々に唸りました。お陰で機内でもグッタリ。大食漢の私もさすがにこの時ばかりは食事を受け付けず痩せました。ただ、カトマンズでバタバタと忙しく寝不足になっていたのでエベレスト前の最後の休養だと思いゆっくり寝る事にした。

二日目から少しずつ食事も取れるようになり、久々にポタラ宮に訪れた。

ポタラ宮と
ポタラ宮と

過去にすでに4回も訪れているが、その度に偉大なポタラ宮に感動してしまう。チベット人のラマ教に対する深い信仰心が神秘的で素直に素敵だなぁ~と感じていた。私は何を信じて生きているのだろうか。ダライラマの写真に祈りを捧げるチベット人を眺めながらそんな事を感じていた。

美しい寺院の壁画に心から癒された
美しい寺院の壁画に心から癒された

しかし、なによりも驚いたのがラサの変貌ぶり。6年ぶりのラサだけれど区画整理が進み北京の中心地のようにまるで滑走路のような巨大な道路がいくつも完成しており、チベット特有のクネクネと入り組んだ路地の大変が消え、町並みがガラリと変わっていた。

ショッピングセンターではソニーなどの日本の電気製品が液晶テレビからパソコン、最新式のデジカメからなんでも、まるで秋葉原の如くズラリと並んでいた。そして高級車がいたるところに。昨年、中国からラサまで鉄道が繋がったがそのラサ駅は東京駅の10倍ほどの大きさだったか。あまりの急変に現地のチベット人に聞いてみたら中国政府は北京オリンピックまでに大都市にする予定だとのこと。


ラサの町並み
ラサの町並み

町の至るところでガコンガコンと建設ラッシュ。1996年に初めて訪れたラサは多少なりともチベットの面影を残していたが、もはや・・・。確かに開発されその分だけ生活しやすくなったでしょう。教育や医療の面は劇的に変化したでしょう。チベット人の識字率が大幅にアップしたとも聞いた。ラサに住むチベット人にとって中国のラサ開発はどのように映るのだろうか。幸せなのかそれとも・・・。チベット人の本音を聞いてみたいとも思ったが、ただ聞くだけ酷かもしれない。そして彼らはけっして本音を話さないだろうと。そんな気がした。

開発され続けているラサの片隅で多くのラマ僧達が大声を上げながら修行を行っていた。

修行をつむラマ僧
修行をつむラマ僧

彼らの必死の叫びなのか、私の考えすぎかもしれないがそのように感じ、せめて寺院付近だけでもチベット文化やチベット魂を永久に受け継いでほしいと願っていた。
ポタラ宮の上部から子供を背負ったチベット人の老人が静かにラサの町並みを眺めていたが、なにを想っていたのだろうか。私にはその表情から伝わってくるものがあった。

変わり果てたラサになにを想うのだろうか
変わり果てたラサになにを想うのだろうか

 

ポタラ宮写真集
     
ポタラ宮からのラサ ポタラ宮の前の大通り ラサのデパート
     
ラサの町並み ラサの様子 靴磨きのおばさんたち ラサ駅
     
ラサ駅 液晶テレビから何でも 建築ラッシュのラサ
     
建築ラッシュのラサ2. 修行をつむラマ僧 美しい寺院の壁画に心から癒された
     
変わり行くラサを眺める老人 変わり行くラサを眺める老人2 変わり行くラサを眺める老人達.
     
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