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2007年エベレスト清掃登山 , レポート・インタビュー記事

緊迫した状況続く。キャンプ3より電話ありました。

2007年エベレスト清掃登山 , レポート・インタビュー記事

2007/05/16

緊迫した状況続く。キャンプ3より電話ありました。

日本時間9時50分。頂上から降りて一晩過ごした野口から連絡が入りました。
昨夜、電話があったあとから胃痙攣と嘔吐、肺まで痙攣するという状態に陥り、
どうにかなってしまうかと思ったとのこと。
いつからか明確にはわからないが、野口が着用していた酸素マスクが壊れていたというのだ。酸素マスクからはごく微量の酸素しか出ていなく、それが原因とみられる。
現在は酸素マスクを代え、回復傾向にある。

昨日は色々大変なことがあった。
大蔵隊の遭難に関してはホームページに載せます。



それ以外にも、野口達が頂上直下で遺体を下ろして、生きている女性をレスキューしていた際に登ってきた西洋人だが、そこから5時間以上かかるポイントから無理に突っ込んでいったと言う。時間から見ても登頂は難しい、もし登頂したとしても遭難する可能性が極めて高い状況だったため、野口は「戻ったほうがい」と助言したが、その西洋人はそれを無視し、登っていったという。一番かわいそうなのはその西洋人についていったシェルパだ。シェルパは野口に「帰りたい」と言ったらしいのだ。野口はその西洋人に、「登りたければ一人で登ればいい、このシャルパには家族がいるんだ」と意見したが、結局、シェエルパはその西洋人について行くことになり、2人は吹雪の中に消えていった。キャンプ3に彼らが戻れているかどうかは確認できていないとのこと。一人の登山家のエゴで、一人のシェルパの命がなくなった可能性がある。

現在のキャップ3は猛吹雪。8,300mという高さはまだ「死」の高さだ。
昨夜は完全に疲労困憊だった野口たちは、テントのジッパーを下げずに寝てしまい、テントの中は雪まみれだったとのこと。
昨日、野口隊のシェルパ、アンカジ シェルパが雪目になり、目が見えない状況。
また、下部キャンプとも連絡がつかず、レスキューを上げる事ができないでいる。
少なくとももう一つしたのキャンプにいければかなり安全になるのだが、この吹雪で身動きが取れない。

そんな天候の今日、頂上アタックをかけている隊もあるとのこと。
情報では既に頂上直下で身動きがとれないでいる隊が何隊かあるらしい。
大量遭難の可能性もあるとのこと。

非常に緊迫した状況が続いているエベレストから連絡でした。

野口健事務所  田附(たづけ)

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