この三連休は富士山の西湖湖畔にあるNPO法人・富士山クラブの本拠地でもある「もりの学校」にて「コスモ石油エコカード基金・野口健環境学校」が開催されました。全国から8組の親子が参加。義務教育などの学校教育の中に環境教育の必要性を訴えてきましたが、同時に家庭環境、親子間での取り組みも同じように大切だ。自然を通して親子のコミュニケーション、一緒に汗を流して喜ぶこと、時に怒りを感じることなど。特に父親は母親と比較すると一般的には子どもと接する事が少ない。アウトドアーは父親にとって名誉挽回の貴重な場でもある。今回も二泊三日、8組の親子に囲まれ一緒に樹海のエコツアーや清掃活動を行った。野口健環境学校の特徴は毎日、一人一人が全員の前でスピーチをしなければならないこと。
野口健環境学校の最大の目標は「環境メッセンジャー」の誕生ですが、一番大切なことは人に伝え、活動の輪を広げるのが役目だ。その為に必要なことは自身の継続した活動と、人に伝える努力。参加者の中には人前でのスピーチに戸惑い極度の緊張に顔面蒼白になる。それでも、やらなければならない。
今回も小学生の男の子がマイクを握ったまま声が出ない。目で助けを求めてきたが、免除はなし。30分ほど永い沈黙が続いた。ついにその男の子が泣き出した。何人かの「もう勘弁してやったら」といった目線を感じたが、彼には逃げてほしくない。「声を出せ!」と心を鬼にした。その時に彼の父親が「声をださんかぁ!」そして息子の名前を大声で怒鳴りあげた。次の瞬間に彼は震えながらもちゃんとマイクを握りしめ話し始めた。私はこの親子の姿にとても胸が熱くなるのが分かった。話し終わった彼はそのまま父親に抱きつき泣いていたが、それでいい。よく頑張ったと褒めてあげたかった。
環境学校、二日目は樹海での清掃活動だったが、3歳になる娘の絵子さんが飛び入り参加。私の活動に影響されたのかゴミに関しては敏感。一緒に公園に遊びに行った時にも突然ゴミを拾いだし「パパはお山をきれいにしているんよね。ゴミすてるのはいけないよね」と話しかけてきた時には心底驚いた。仕事の都合上、ほとんど帰宅できていない。2週間に一度、家に帰れればいいほうだ。かみさんに聞いた話だけど絵子さんが「ママ、パパはお山のゴミがなくならないとお家に帰ってこれないんだよね。早くお山がきれいになるといいね」と話したそうだ。
その絵子さんが富士山のゴミ拾いをしたいとかみさんに訴え飛び入り参加が実現したが、雨の中、2時間ほどの短い時間でしたが娘と一緒にゴミを拾えたことに感無量であった。家の事はすべてかみさん任せ、そして絵子さんにも父親らしいことをしてあげられていないが、清掃活動を通して少しですが、それでも娘と会話ができたことがなによりも嬉しかった。
色々あった環境学校。次は来週から長野県小諸市で全ての小学校が参加する「森林再生プロジェクト」が始まる。昨年は市内の小学校のうち、6校中4校が参加。今年は6校中6校が参加。嬉しい広がりではないか。小諸の子どもたちと一緒に森作りに励みたい。