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遺骨調査・収集

ご遺骨収集活動報告~確かな前進と新たな課題~

遺骨調査・収集

2009/08/24

ご遺骨収集活動報告~確かな前進と新たな課題~

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8月17日~8月21日にかけてフィリピンにて遺骨収集を行ってきました。マニラについた我々一行(空援隊メンバー・厚生労働省職員)は日本大使館やフィリピン外務省などと打ち合わせを行い、その日の内にイフガオに向けてバスで移動。ただイフガオまでバスで約11時間。つまり成田からマニラに飛びそのまま11時間のバス移動となるのでほぼ24時間座りっぱなしとなる。


 イフガオは「天国までの階段」と呼ばれるほど大きな棚田が複数あり世界遺産にもなっている。何ゆえにそのイフガオにやって来たのか、それはフィリピンで唯一、野外での遺骨の焼骨を認めているからだ。イフガオの州知事が空援隊の顧問でもあり我々の活動に最大限の理解を示してくださっているだけに確かにマニラからは極めて遠いが安心して作業が行えるのだ。
イフガオの棚田

イフガオの棚田

遺骨の個体数の調査を行う

遺骨の個体数の調査を行う

 フィリピン全土から集められた遺骨はこのイフガオに集められ、何体あるのか、遺骨の個体数確認が始まる。フィリピン国立博物館から一名の鑑定士が派遣され、彼が山積みにされた御遺骨の袋1つずつを開け部位ごとに分ける。肋骨、頭がい骨、足の左右、など部位ごとに分けそこで何体分あるのかをカウントする。その作業は実に細かく朝から夜中まで続く。この作業をしっかりと厳密にならなければ収集した遺骨が何人分なのか分からなくなる。とっても大切な作業なんです。
日本兵の遺留品を確認する

日本兵の遺留品を確認する


 同時にカウントされた遺骨から焼骨されていく。遺骨には土などが付着しているので焼骨しなければ日本に持ち込む際に検疫にひっかかる可能性が極めて高いとの事で現時点では必ず焼骨している。


 まず広場にマキを並べその上に御遺骨を並べるのだが、集められた御遺骨の多さに言葉を失う。頭蓋骨がズラリと並ぶ。ジッと頭蓋骨を眺めていて気がついたのが御遺骨にも表情があることです。表情の元となるのが頭蓋骨であるから当然なのかもしれないが、その一体一体の表情から、「60年以上も待っていたんだ。遅かったじゃないか」といった彼らの怒りであったり、また「やっと祖国に帰れるんだ」といった安らかな表情であったりと、本当に様々な感情を受けとめた。
焼骨した遺骨を広げ冷やした後に袋に詰める

焼骨した遺骨を広げ冷やした後に袋に詰める

 そして嬉しかったのが地元の子供たち。日本では忘れられようとしている遺骨問題であるが、現地の子供たちがご遺骨のカウントから焼骨、その後のバスまでの運び込みまで何から何まで手伝ってくれた。日本人の遺骨でありながら嫌な顔1つせず丁寧に素手で一体一体を薪の上に並べてくれた。本当に頭が下がる思いであった。
村の子ども達が手伝ってくれた

村の子ども達が手伝ってくれた

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最年少参加者 14歳のケイゴ君と一緒に

 18~19日に三回に分けて焼骨式が行われた。合計1555体。空援隊によって建てられた遺骨仮安置所にはまだカウントされていないご遺骨の入った袋が山積みにされており推定800体。これだけのご遺骨が集まるとは想定外であり、個体のカウント、焼骨などの作業が間に合わなかったのが残念で仕方なかった。この800体は次回にまわされることになった。あともう一日あれば、みんなと一緒に帰れたのにと唇を噛んだ。一日でも早く帰りたかっただろうに・・・。年内に必ず必ず祖国日本に帰します。

 昨年までのここ数年間、世界中から日本に帰ってくる御遺骨は年間で三ケタにすぎなかった。平均すれば600体ほどである。それならば細かな作業を行っても充分に間に合ったかもしれないが、空援隊のように一回で四ケタに突入すればとても追いつかない。焼骨せず日本に持ち帰り焼骨は日本で行うことは出来ないのだろうか。いずれにせよ新たな方法を考えなければならない状況にまできていることは間違いない。

 空援隊による
 年間別収集数は平成21年1月~8月までで、4305体。
 年度別収集数は平成21年度4月~8月までで、3369体。


 今年3月中旬に419体と共に帰国を果たした際に成田市で行った会見では「21年度の収集目標は2500体」と発表していたが、すでにその目標は達したため上方修正し「5000体」とした。

 そして22年度の目標に関してはさらにハードルを上げ「10000体収集」とする事をすでに先日、厚生労働省の記者クラブにて発表しました。当初は2500体でも不可能とされていたが、やれたではないか。やる気があればあらゆる手段を行使し実現するであろうし、嫌ならばやらない理由を探し出してくるだろうし、これは気迫と決意の問題です。

 そして遺骨収集活動にかかる予算ですが、今年度から空援隊は政府より2450万円の委託費を受け取っていますが、すでに底をついている状況です。遺骨収集に関し国家予算を増やすことができないのだろうか。

 アメリカではアメリカ兵のご遺骨収集に関する年間予算は55億円。せめてその何分の一でもあれば年間、数万体のご遺骨は確実に収集できる。これは国民の税金を使うわけですから、多くの方々にご遺骨のおかれた状況を知って頂きたい。国民の中から「国のために亡くなった方々を国の責任で祖国に帰すべきだ」といった声が多く寄せられればこれは必ず実現すると私は確信している。

 その為にはまずは世論が動かなければならない。故に我々、空援隊は現場で活動を行うと同時に、伝えていかなければならない。それが我々に与えられた役割であり使命です。
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 人は与えられた役割の中で生きてくもの。そして「知る」という事は同時に「背負う」ことでもあります。もちろん、我々は率先して活動を行い命も賭けます。しかし、この責任、我々、空援隊のみが背負うにはあまりにも重たすぎる。どうか日本の皆様にも一緒にこの責任を背負って頂きたい。

 声を上げるのも1つの手段。また今年3月に御遺骨収集基金を立ち上げましたが基金へのご寄付も1つの手段でありましょう。

 ご遺骨収集はご遺族や亡くなった兵士たちのためでもありますが、私が特に感じているのは「国のために亡くなった人たちに対し冷たい国はいずれ滅びる」ということです。これからの日本のためにもこの活動、確実に続けていきたい。
ご遺骨と共に帰国を果たす

ご遺骨と共に帰国を果たす

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記者会見

厚生労働省の記者クラブにて来年は10000体のご遺骨を収集すると発表
 明日(8月24日)は靖国神社にてご遺骨収集に関するシンポジウムが開かれます。この度のフィリピンでの活動、またこれからの課題についてしかと述べさせて頂きたいと思います。

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