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金多楼寿司にて麻生太郎前総理と遺骨会談

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2009/11/02

金多楼寿司にて麻生太郎前総理と遺骨会談

 八ヶ岳大縦走を予定していた本日(11月1日)でありましたが、夕方から天候は崩れ八ヶ岳では雪にあっていただろう。あれだけトレーニングを積んで来ての中止は誠に残念でありますが、自然を相手にしているわけで仕方がない。ただ、前回と今回と2週連続して予定していた日ばかりが悪天候でその前後は晴天と来るので、まあ~これは「止めとけ」との天の声を思うよりか仕方があるまい。八ヶ岳は逃げませんから。ただ懸念するは可能性があるとすれば八ヶ岳は逃げなくても私の気持ちが逃げたりして。それもまた人生。次に繋げるべく頑張ってトレーニングに励みます。

 そして本日、
せっかく東京に居るのならば行きつけのお寿司屋さんである「金多楼」でお寿司を頂こうとご連絡いれたら、若旦那の野口剛さんから「野口さん、本日麻生さんがいらっしゃいます」とのこと。麻生さんとは麻生前総理のこと。麻生さんにとっても金多楼さんは行きつけのお寿司屋。せっかくご家族とプライベートでいらっしゃるわけで、私がそこにのこのこと出かけ、麻生さんに色々とお願い事をするのはKYであろうと、ご縁了させて頂こうと躊躇もしましたが、しかし、民主政権になってから遺骨収集の行く末が見えない状況となり、なんらかしらのアドバイスなり、お力を貸して頂けないものかと、無礼を重々承知しながらも、自身で作成した遺骨収集ファイルをこっそりとカバンにしまい金多楼さんへ。

 麻生政権では、戸井田厚生労働政務官(当時)は「国として当然責任がある。議員立法を提出し遺骨収集を国家の義務にするべきだ。たとえ財務省が反対しても「我々が予算をしっかりつけよ」と声を出せばいい。今までの3億円の予算では少なすぎる。アメリカは遺骨収集事業に年55億円かけている。わが国も同レベルまで引き上げるべきだ」と会見で発言。

 また平成21年4月20日の参院決算委員会で舛添厚生大臣(当時)が「遺骨収集を行っているNPOの方々にもお会いしましたが、大変頑張って頂いている。この支援もやりたいと思っている。また国の責任として一日も早く、1柱でも多く遺骨を収集してまいりたい」と空援隊の名前をあげ明言。小池百合子元防衛大臣も「近々、私もフィリピンの現場に行きたい。案内してください」と、自民党国会議員が中心になって動き出したのである。

 故に担当省庁である厚生省も例えば私が3月、8月にフィリピンに遺骨収集活動に向かった際も厚労省の職員2名が同行した。一緒になって遺骨の焼骨を行った。灼熱地獄の中でのこれらの作業は過酷を極めた。以前は厚生労働省との間で意思疎通に誤解あり、また立場の違いからか争いもなかったわけではない。しかし、フィリピンの現場で厚生省の職員の方々と私たちは一緒になって取り組んだ。そして気持ちは1つとなった。一体でも早く祖国に還そうと。

 その直後の政権交代。遺骨収集事業に充てられる予算はどうなるのだろうか。耳に届いてくる情報は「民主政権はマニフェストに掲げた政策課題以外に予算をつけない、または大幅に削減ではないか」ばかり。ただでさえ雀の涙のような予算しか付いていないのだ。これ以上の削減はつまりは国家事業としての遺骨収集を事実上打ち止めにするに等しい。つまり国のために亡くなり未だ戦地に野ざらしにされている115万体ものご遺骨を見捨てる、切り捨てることだ。それが果たして鳩山総理のおっしゃる友愛精神であるのかどうか。私は鳩山総理に問いたい。


 その間、我々、空援隊は10月にフィリピン全土で遺骨調査を行い約3万体の遺骨を確認。これらのご遺骨を日本に還すためにはそれなりに予算がかかる。現地での移動、人件費(フィリピン人)、ご遺骨の運搬費用等々。
 
 この10年間、国家事業としての遺骨収集は全戦地合わせても平均しても600体たらず。我々は今年に入ってからたかだか10か月で4307体のご遺骨を日本に還した。空援隊がフィリピンに建てた遺骨仮安置所には既に数千体の遺骨が帰国を待っている状態だ。そしてさらに3万体のご遺骨発見となり、仮に来年中に帰国して頂くこととなれば今までの遺骨収集団の規模を人員やかかる経費など大幅に拡大しないととても追い付かない。ご遺骨を発見してから、ご帰国して頂くまで行わなければならない作業はとても多い。我々が個人的に行うには限界があります。

 民主政権になってからは、彼らのマニフェスト以外のテーマで協議を持ちづらい雰囲気になってしまった。削減の嵐では新たなプロジェクトなど問題外なのかもしれない。どなたに相談していいのかもさえも分からない。自民党議員は議員立法を立ち上げて遺骨収集を国家の義務にしようとしていたが、民主政権では極力、議員立法は出させない方針だとも聞く。意見が二転三転する民主政権で何が本当で何が違うのか、とても分かりづらい。それはそのはず。なにしろ彼ら自身がどうなっていくのか把握していないのだから。

 私はかねがね、遺骨収集活動には「自民党だ!」「民主党だ!」ではないと指摘してきました。ましてイデオロギーの問題でもない。これは全ての国民の問題であるとも。したがって空援隊議員顧問団は自民、民主、公明、社民、新党大地と合計40名ほどの国会議員が名前を並べてくださっている。共産党に関しましては「遺骨収集は過去の大戦を正当化するようなもの」とし「顧問議員団に加わることはない」と断られましたが、共産党以外の超党派で取り組んできました。ただその中でも中心的な役割を担ってきたのが自民党でした。

 麻生さんとお寿司を頂きながら遺骨収集について多くの意見交換を行いました。せっかくご家族とゆっくりされるはずであったのに私のようなゴロツキ登山家が真横に座ったのでは麻生さんも堪らなかったに違いない。それでも麻生さんはしきりに遺骨収集の実態に耳を傾けられ、私の言葉の1つ1つにうなずかれながら「なんとかせねばならない」「野口さん、一度説明にきてください。私も一緒になって考えます。外務省にも話しますから」と、私は麻生さんの言葉が素直に嬉しかった。

 そして「あなたのお父さんは確か外交官でアラブ専門だったねぇ。活躍していたよ」とよく昔の事を覚えているものだとその記憶力には驚いた。金多楼さんの若旦那も今年2月、私と一緒にフィリピン・レイテ島で行われた遺骨収集団に参加。遺骨収集活動でなかなか進展が見られない中、私を麻生さんと引き合してくださったのだ。野口剛さんにも感謝です。この1つ1つの出会いを大切にしたい。

 来年度の予算がどのようになるのか見当もつかないが、私なりに精一杯の努力はしてみたい。なにしろ、まだまだ帰国を待ちわびているご遺骨がどれほどいるのか、考えただけでもこの両肩にズシリと、責任という名の鉛が食い込んでくる。とにかく時間がないのだ。世論の中からもぜひ、声をあげて頂きたい。民主党でもいい、厚生省でもいい、自民党でもいい、どうか声を届けてください。よろしくお願いいたします。

2009年11月1日 野口健

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