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都レンジャーと現場を歩く

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2009/11/22

都レンジャーと現場を歩く

今月16~18日の二泊三日、東京都の高尾山と奥多摩(雲取山)を都レンジャー隊員(東京都自然保護員)と一緒にパ トロールを行った。2001~2003年に東京都の委員を務めていましたが、その委員会の席で「東京都の自然は東京都が守るべき。そのシンボルとなる東京 都独自のレンジャー制度が必要。都レンジャーを作りませんか」と提案し続けましたが
、「地方自治体によるレンジャー制度は前例がない」と却下 され続け、それならばと石原都知事に「知事は東京から日本を変える!と公言されていますが、つまりは本来、国がやらなければならないことを先に東京都がや る。その事によって国も触発され動き出す、ということでしょうか?」と質問。「まあ~そんなものだなぁ」と、「それならば環境省は小笠原を世界遺産候補に あげながらレンジャーを派遣していない。東京都がレンジャー制度を作って派遣しましょう!」と直訴。その翌日に記者会見で石原都知事は「来年から東京都は 都レンジャーを始めます。名誉隊長は野口健です」と突然の発表。そして2004年に都レンジャー制度がスタート。小笠原諸島や高尾山など都内の各所に隊員 が派遣されました。
高尾山をパトロール
高尾山をパトロール

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 スタート時は6人であった都レンジャーも今では18人。最初の頃は私も一緒にパトロールを行った事もありましたが、東京都の担当職員も都レンジャー隊員も全て代わりいつしか私と現場の隊員との交流がなくなり、それこそ形だけの名誉隊長となっていました。
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 そんな中、私の書いた本の中で都レンジャーについて一部の偏った情報を元に一方的な書き方をし、隊員の名誉を傷つけてしまった。現場からお叱りも受けま したが、これは当然で現場を知らない人間がとやかく偉そうに発言してはならない。私も以前同じような事をされてとても嫌な思いをしたのにも関わらず、同じ 事をしてしまったと本当に申し訳なかった。そんな反省からもう一度、隊員の彼らと現場を歩こうと今回のパトロールが実現しました。
作業を行う隊員
作業を行う隊員

 初日は高尾山。高尾山には隊員3名が派遣されていますが、高尾山の登頂者は年間250万人とも言われています。その250万人の登山者に対し都レン ジャーは3名。高尾山山頂も今回我々が登頂した時は約500人ほどであったが、最大では同時に4000人が山頂に集まるとのこと。またピーク時の登山者は 一日74000人。高尾山に訪れる人々は信仰、研究、観察、登山、観光とテーマは幅広いが250万人は日本一である。ちなみに富士山の登頂者は年間30万 人前後であるから高尾山がいかに多いか分かる。
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 それにしても驚いたのが高尾山の植物の多さ。分類されているもので1600種ほどとのこと。これはイギリス全土で見られる種類に匹敵する。また高尾で最 初に発見された植物も60種類以上と多い。シイやカシなどの常緑樹林もあれば、ブナやイヌブキなどの落葉樹林もある自然豊かな高尾山。

 ただ、同時にその希少動植物などの盗掘、採取が指摘されている。そして最近流行りのトレイルランナーと登山者の接触による事故や苦情が増えていた り・・・。とにかく、3名の都レンジャー隊員がボランティアの助けも得ながら日々必死に取り組んでいる姿に頭が下がる思いであった。
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 17日は舞台を奥多摩に移し大ダワ林道登山道口から雲取山壮~雲取山山頂~七つ石山~鷹ノ巣避難小屋~奥集落までを一泊二日で歩きましたが、この奥多摩 担当も3名。パトロールしていて改めて被害の深刻さを痛感させられたのが鹿による被害。増えた鹿が木の皮を食べることによる立ち枯れ。木の皮は一周食べら れてしまうと、そこから上に水分が上がらなくなり木は枯れる。以前丹沢でも同じような光景を目にしたが、奥多摩はそれ以上の被害であるといった印象を抱き ました。

鹿によって食べられた木の皮
鹿によって食べられた木の皮

吹雪の中を進む
吹雪の中を進む
 
 この日は朝から雨。途中からミゾレとなり、雲取山壮についた時は吹雪。この時期に東京にいながら吹雪を経験するとは思いもしなかった。山荘の夜は隊員た ちと飲みながら多くを語りあった。雑談あり、またあんな話もあり、とても楽しかった。それにしても損得勘定ばかりの世の中にあって、彼らの純粋な姿勢には 心が安らぎました。富士山クラブの現場メンバー、また富士山レンジャーの隊員も同じですが、日々、使命感を持って生きている人たちには特有の眼の光という ものがある。最近、私は自身が何屋さんであるのか分からなくなるほど活動が様々になってきましたが、一番心が安らぐのはそんな現場の仲間と一緒に過ごす時 です。
雲取山山頂からの富士山
雲取山山頂からの富士山 
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 今回は高尾山と奥多摩地域を都レンジャーと歩きましたが、次回は御岳を予定。来年は小笠原諸島にも訪れたいと考えている。久しぶりに都レンジャーの隊員 と一緒に現場を歩いて感じる事がとても多かった。引き受けた以上は名前だけの名誉隊長であってはならない。名誉隊長としての役割とはなにか、今回のパト ロールを1のきっかけに私なりに何が出来るのか、必至に考えてみたい。
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