2010年冬キナバル山 , エコツーリズム , 自然保全

2010/01/12

オランウータンの悲鳴

 キナバル山に登頂した翌日からセピロクにあるオランウータンのリハビリテーションセンターに向かった。オランウータンについて僕はよく把握していなかったのですが、オランウータンの生息地については漠然としたイメージの中ではアマゾンやアフリカにも生息しているのかと思っていましたが、
ボルネオ島とスマトラ島だけとのこと。そしてオランウータンはマレー語で「森の住人」という意味で、絶滅の危機に瀕している。
施設で飼育されているオランウータン
施設で飼育されているオランウータン
 
 驚いた事にWWFの報告によるとオランウータンの個体数は100年前に比べると92パーセントも減ったとのこと。スマトラ島のオランウータンはこの75年間で80パーセント減。ボルネオ島ではこの60年間で50パーセント減。

 オランウータンの減少の最大の原因は森林伐採とのことです。1980年代半ばまでボルネオ島では約75パーセントがジャングルでしたが、パームオイルなどのプランテーションを作るために広範囲で森林が伐採され今では50パーセント以下と言われています。

 コタ・キナバルから車でセピロに向かう途中、辺り一面が伐採された荒れ地があり、ガイドに聞いたら

「ここのジャングルはアブラヤシのプランテーションのために伐採されました。パームオイルはバイオディーゼルとして先進国に多く輸入されています。バイオディーゼルはエコと言われていますが、ボルネオの森はなくなりました」

と、そう言えば地球温暖化対策でバイオ燃料が注目されそのおかげでアマゾンのジャングルが伐採され代わりにトウモロコシ畑になってしまったと大きく報じられていましたが、まったく同じ事ではないか。

キナバル山に登頂した翌日からセピロクにあるオランウータンのリハビリテーションセンターに向かった。オランウータンについて僕はよく把握していなかったのですが、オランウータンの生息地については漠然としたイメージの中ではアマゾンやアフリカにも生息しているのかと思っていましたが、ボルネオ島とスマトラ島だけとのこと。そしてオランウータンはマレー語で「森の住人」という意味で、絶滅の危機に瀕している。

 ジャングルを伐採し
ジャングルを伐採し広大なプランテーションと姿を変える

 伐採されたジャングルのすぐ近くに中国系のプランテーション工場があり、モクモクと煙を吐いていたが、大量にジャングルを奪っていくバイオ燃料の何をもってエコなのだろうかと疑問を抱いていた。
プランテーション内にある工場
プランテーション内にある工場

 またプランテーションだけではなく違法伐採や農地開拓、焼き畑農業など至る所でジャングルが焼失。上空からジャングルを眺めると至る所にボコボコと穴があいているように見えますが、その部分が伐採され荒れ地となった部分です。
リハビリテーションセンターの入口
リハビリテーションセンターの入口 

 1月10日、オランウータンのリアビリテーションに施設を見学しましたが、WWFの施設の職員は

「森林伐採だけではなく、密猟による被害も大きい。ワシントン条約によってオランウータンの輸出入は禁止されていますが、毎年世界中にオランウータンが売られていきます。密猟者はオランウータンの子どもがほしいので親を殺して子どもだけ連れて行っていまいます」

と話していた。残念ながら後で調べてみたら、日本でも1999年に大阪梅田のペットショップで4頭のオランウータンが売られていたことが発覚。その後、無事に保護されボルネオ島に帰されたとのことですが、日本以外にも例えば台湾では1995年から1999年にかけて約1000頭ものオランウータンが違法に輸入されていたとのこと。

リハビリテーション施設で説
リハビリテーション施設で説明を聞く 

 オランウータンリハビリテーションセンターで保護され飼育されているオランウータンを眺めながら、う~んと唸ってしまった。楽しかったキナバル登山と、うって変わってオランウータンのおかれた状況に気持ちが重たかった。

エコツアーに参加しガイドから説明を受ける
エコツアーに参加しガイドから説明を受ける

その日の午後、キタコバン川で野生動物の観察を行い、運よく野生のボルネオゾウの群れと遭遇しました。像には大きく分けてアフリカゾウとアジアゾウの2種類がいます。アフリカゾウに比べるとアジアゾウは小さい。そしてアジアゾウの分類の中にボルネオゾウがあり、他のアジアゾウに比べるとボルネオゾウはさらに小さい。今現在、ボルネオ島のサバ州に生息するボルネオゾウは1000頭ほどだと言われています。
ゾウを発見!
ゾウを発見!

ボルネオゾウもオランウータン同様にプランテーション拡大のために生息地域が狭まれ、行き場を失ったゾウたちが里に降りてきたところ駆除の名目で射殺されてきたとのこと。

 何も知らされずに野生動物と会えるのならば素直に嬉しいのかもしれないが、エコツアーに参加すると色々な情報を教えてもらえる。故に時に気持ちが重くなったりする。

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ボルネオゾウ
ボルネオゾウ

 他にテングザルとも遭遇。ボルネオ島は動植物の宝庫。たかだか一週間の滞在で多くの動植物と出会い、感激もしましたが、同時に物凄いスピードでこうした野生動物が減り続けている現実を突きつけられました。

ボートから野生動物観察
ボートから野生動物観察
撮影をする平賀カメラマン
撮影をする平賀カメラマン

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