野口さんとアイスフォールを抜けて6000mの世界に足を踏み入れたところ、
手痛い雪崩に遭遇し、危うくこの世の終わりを実感するところであったが、
その後、生きていることに感動し、夢中でシャッターを切った。
凍えそうな指で、繊細なカメラを抱えながら上部の世界にいると、ファインダー越しの野口さんの表情が日に日に、野生化してきた。何かの獲物を獲ようとする野人のごとく、目は鋭くなり、皮膚は日焼けで浅黒くなって、言葉もそれほど多くはなくなってきた。
何を狙っている野生児なのか。目線の先に、風雪が舞い上がる頂がみえかくれする。
あと数週間でどのような人となっているのか。ファインダー越しから楽しみにしている。
2011年5月11日 平賀淳
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