日刊SPA!に「アルピニスト野口健 紅葉を楽しむ『富士ビュートレイル』を新提案」と題し、インタビューを受けました。ぜひ、ご覧下さい。
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連休を襲った台風19号の影響で、せっかくの連休を無駄にしたという人も多いと思われるが、本格的な秋の紅葉シーズンを迎え、今週末くらいから、ようやく日光、箱根、京都......といった日本全国多くの"紅葉スポット"が見ごろの時期となりそうだ。
 なかでも、例年9月下旬から色づき始め10月中~下旬に見ごろを迎える富士山は、屈指の観光スポットとなっており、夏の登山シーズン同様に多くの観光客で賑わうことが予想される。2つのルートに分かれている富士山スカイラインは、まだ色づき始めたばかりの塩梅だが、富士宮口5合目付近はまさに絶好の見ごろ。カラマツやウルシ、カエデといった赤く色づいた木々が織りなすグラデーションは圧巻のひと言で、富士山に育まれた秋の息吹を体いっぱいに感じることができるはずだ。
「実は、富士山は夏の登山シーズンよりも秋から春にかけての時期がいいんです。しかも、直接富士山に"登る"よりも周囲の山々から"眺める"のがオススメで、今まで気付かなかった新たな富士の魅力に出会えると思いますよ」
 こう話すのは、過去に七大陸最高峰の世界最年少登頂記録を打ち立てたこともあるアルピニストの野口健だ。富士山に不法投棄された大量のゴミ問題を逸早く世に発信したことでも知られる野口は、近著『世界遺産にされて富士山は泣いている』(PHP新書)のなかでも、年々膨らみ続ける登山客への対応について環境改善を訴えるなど、富士山と数多くの"接点"を持っている。今も、年に何度か自ら陣頭に立って「清掃登山」を行う姿がたびたび報じられているが、そんな彼だからこそ、富士の魅力を知り尽くした登山家の一人と言っていいだろう。
「日本人はもちろん、外国人観光客にも圧倒的な人気を誇る富士山ですが、登山者の多くは、クルマで5合目まで行って、そこから歩いて山頂を目指すというパターンがほとんど。登山経験があまりない人にとっては、山頂まで登れば達成感はあるものの、道中は辛くてあまり面白くなかった......という人も少なくないでしょう。ただ、このパターン化された富士山登山の考え方を少し変えると、新しい登山の楽しみ方も見えてくる。そもそも富士の麓には標高1000m程度の低山がいくつも連なっているのですが、ここから富士山を近くに仰ぎながら緩やかに歩くコースが格別にいいのです。僕のオススメは、富士山周辺の御坂山系を歩くコースで、河口湖のほうから登って西湖に向かえば、歩みを進めるごとに富士山を眺める角度が変わるので、さまざまなかたちの富士山を堪能できます」
 風光明媚なロケーションは富士山だけではない。眼下に目を遣れば、河口湖と西湖の絶景も堪能できるという。
「朝一番でこのコースを登ると、午前中は勇壮な富士の姿を拝めるし、日没近くには夕陽に映えた『赤富士』を眺めることもできます。決められたコースを登るだけが登山ではないので、自前の地図を持参して、ガイドブックなしで歩きながらコースを描く登り方もいい。御坂山系を端から端まで歩けば15時間ほどかかりますが、途中いくらでもショートカットできますしね。しかも、標高1000m程度の高さなので高尾山でハイキングする感覚で歩けるし、"山ガール"からお年寄りまで十分楽しめるはず。紅葉のシーズンはもちろん、雪もたいして降らないので雪山のシーズンも面白いと思いますよ」
 富士ビュートレイル・プロジェクト――。
 新たな富士山の魅力を少しでも多くの人たちに伝えるため、野口はこんな"参加型トレイル"の企画も近くスタートさせるという。
「夏よりもむしろ秋冬に適したビュートレイルが広まれば、現在、問題となっている富士山の夏期登山者の数を分散させたうえで、トータルの観光客数の底上げにも繋げられますし、何より、新たな富士山の魅力を一人でも多くの人たちに知ってもらえれば嬉しいですね。まずは、今後プロジェクトのウェブサイトを立ち上げます。そこに僕自身が選んだトレイルやビューポイント、撮影した写真、所要時間、一言コメントなどを公開しますので、それを参考にしてもらって、ウェブ上のフォームから、同じようにご自身が撮影された富士山の写真やビューポイント、トレイルについての情報をお送りください。皆さんからお送りいただいた写真やトレイル情報を掲載し、たくさんの『富士ビュートレイル』を紹介していければと思っています。さらに、1年に1回はお送りいただいた写真の中から厳選して、美術館やギャラリーなどで『富士ビュートレイル』写真展を開催したいとも考えています」
 御嶽山の大規模噴火災害が未曾有の被害を出したということもあり、行楽シーズンにもかかわらず、無意識に山から足が遠のいているという人もいるかもしれないが、この紅葉の季節、新たな富士山の魅力に出会うため「富士ビュートレイル」に初挑戦してみるのもいいのではないか。
<取材・文/山崎元(本誌)>
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以上、http://nikkan-spa.jp/731540より転載。
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