インドネシアにある地熱発電所を視察してきました。日本ではあまり馴染みのない?地熱発電ですが、しかし、日本は火山列島。日本の地熱資源は世界第三位とも言われています。そして世界中にある地熱発電所のタービンの約7割が日本のメーカー(富士電機・東芝・三菱重工)によって作られています。つまり日本は豊富な地熱資源があり、そして世界一の地熱発電技術を持っています。
3・11のあと、エネルギー問題について考えさせられることが多く、僕なりに原発や火力発電、ソーラ、そして地熱発電といった様々な発電所を見学し専門家の方々にお話を聞いて回りました。
原発が停止状態のなか、火力発電をフル稼働しながら必死にやり繰りしていますが、地球温暖化の問題、そして何よりも国の根幹でもあるエネルギーを他国に依存している状態が果たして安全保障問題含め本当にいいのだろうかとも。またフル稼働している火力発電所の多くが老朽化していました。
風力やソーラーは自然現象に振り回せるわけで主力とはなり得ない。かといってこれ以上、原発に頼れる社会的状況でもない。
その中で大きな可能性を感じたのは地熱発電。卓上の論理かもしれませんが、仮に日本中の全ての地熱資源から発電した場合、専門家によれば原発10~20基分だろうと。しかし、地熱資源の大半は国立公園内であり、自然公園法や温泉法の制約もあるとのこと。
国立公園敷地外から斜めに掘っていく「斜め堀」も検討されているようですが、時間がかかるのと、掘ってみて果たして当たるかどうか「ギャンブルのようなもの」との声、そしてコスト面などから、なかなか地熱発電が注目されませんが、しかし、だからといってせっかくある資源を諦めてしまってはあまりにももったいない。
今回、視察したインドネシアの発電所のタービンは富士電機製。富士電機さんとはお付き合いがあるのでお願いして見学させて頂きました。
世界最大級の地熱発電所はニュージーランドにありますが同じく富士電機製。数年前にケニアのオルカリア熱発電所も見学しましたがやはり日本製でした。日本の円借款により建てられました。慢性的なエネルギー不足が社会問題となっているアフリカでは地熱発電がこれからさらに大きく注目されていくでしょう。日本の地熱発電技術が世界に大きく貢献している現場を見てきて感じたことは、可能な限り日本においても活用できないものかということです。
環境保護団体からは国立公園内の開発は環境破壊になると指摘され、温泉業者からは温泉の枯渇につながると指摘されています。掘る深さがいわゆる温泉と地熱発電では桁違いとのことで僕がお話を聞いてきた専門家の方々は「直接的には影響は与えないでしょう」との事でしたが、どうやら証明するのは難しいようです。
しかし、こうも思う。何一つ犠牲にしないエネルギーなどないと。エネルギーに対し全くのド素人の僕が「ああだ、こうだ」と言ったところで全く意味がないのかもしれませんが、しかし、エネルギーは僕らの生活に直結しています。みんなが当事者なのだろうと思う。僕は僕なりにこれからもエネルギーについて考えていきたい。