7月30日午前6時頃(タンザニア 時間)、キリマンジャロのウフルピークに登頂しましてた。夜中0時に最終キャンプを出発。前日までに強風が止み、満点の星空。運が味方したと思い出発。
しかし午前3時くらいから、ガスが出て、山頂方面からゴォーと不気味な音が。そして、山頂に繋がる尾根の手前から歩行困難な強風。全身が凍てつく寒さ。僕が知っているキリマンジャロとはまるで別次元。娘殿にとっては彼女が経験したヒマラヤより遥かに過酷なシチュエーション。
ウフルピーク手前で撤退しようかと考え始めていた。しかし、超えてはいけない一線はまだ超えていない。
ザックの中に、予備のダウンジャケットが3枚、ダウンパンツ1枚があり、それを娘殿とガイドに着せ、ムクムクに。
あまりの寒さに娘殿は睡魔との戦いで、声掛けしても反応が鈍く体をパンパンと叩きながら「意識あるか!」。少しタイミングが遅れて「ある」と返事。
しばらく岩陰で風を防ぎながら、体を擦りあたためる。
彼女の様子を見ながら、気持ちが切れてしまったのなら、撤退しようと。「まだ、やれるか?」に「やる」と一言返ってきた。
ギリギリのラインでしたが、無事に登頂!
その瞬間の出来事は、生涯忘れることはないでしょう。そう言える瞬間でした。
本当によく頑張った。大したヤツだと素直に褒めてあげたい。
そして驚いたのは、最終キャンプに戻って来た時。開口一番「キリマンジャロ にもう一度登りたい。パンチがあり過ぎたけれど、もの凄く心に残った!もう一度登りたい。でも次の山は、6000mを狙いたい。その後にキリマンジャロに帰ってきたい。そうしたら、また、違う景色が見られると思う。」
極寒の地で解放された瞬間に頭の中では、もう次が始まっていたようです。
なぜ、人は山に登りたくなるのだろうか...
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