「親戚に連絡をとりましたが、ビニールハウスにいるので寝袋を届けて下さい」と僕のXのDMにビニールハウスの住所が添えられたメッセージが届きました。志賀町の体育館に寝袋をお届けした後にビニールハウスへ。
住宅地を離れ物凄く狭い山道を入っていく。住宅が数軒、現れたその少し前にビニールハウスがありました。ビニールハウスに入り「寝袋を届けに参りました」に皆さん少しキョトンとされていたみたいでした。
「寝袋って山で使うもの?」と。「はい、氷点下使用でマイナス17度までは大丈夫です」に「それは寒いから助かるけど、何でここが分かったんだい」に「皆さんの知り合いの方から住所が届きまして。親戚関係だと思います。寝袋を届けて欲しいとの依頼を受け届けに参りました」。
「誰だろうな。あっ、そういえば孫がなんかXがなんだかというとったな。わしらにはよくXというものが分かりませんが、そんな話しをしていたな」に「そうです!そのXから僕に連絡がきました。Xなので本名ではなくペンネールぽかったですが、親戚から住所を聞いたと書いてありました」に「そうですか、なら孫かもしれんね。そうですか、そうですか」ととても嬉しそうにお孫さんの話を色々としてくれました。
「いいお孫さんをおもちですね」に「うんうん」と。寝袋以上にお孫さん経由というのが何よりも嬉しそうでした。
話をしているうちに「あれ、あなた、山に登っている人だよね?マスクをしているから顔がよく分からないけど、目を見た事がある気がする」に一瞬マスクを外し「野口と申します」に「やはりそうか!なんかテレビで見た事がある気がしたんだ。目元でそうかなぁ〜と思ったんだよ」に「目だけでよく分かりましたね。マスクをしているとよくカルロスゴーンさんに間違われるんですよ」に皆さん大爆笑。
やっぱり僕はゴーンさんに目元が似ているみたい。同じレバノンの血が流れているからかな。
あっ、という事は僕もマスクを付けても変装にはならないのかな...
その後、寝袋の使い方をご説明してあまり長居しては申し訳ないと思いつつも、お父さんのサービス精神が僕らを大爆笑の渦に包まれていました。
大変な状況の中にも関わらず皆さんの笑顔に逆に僕らが救われ心が温まりました。
お茶を出して下さり「えっ、いいのですか?」に「何をいっていますか。お茶をどうぞ、どうぞ、さあさあ」に「有り難く頂きます」とお茶を頂きました。
皆さんに連絡先をお渡し「いつでも連絡をして下さいね。いつでも飛んできますので」とビニールハウスを後にしました。
この日はとても寒い日で体の芯から冷えていましたが、しかし、心はぽっかぽかに。
上手く表現できませんが、とても、とても素敵な時間でした。僕だけではなくチーム一同、みな感動していました。ビニールハウスから出てきた僕ら皆んなが笑顔になっていました。