本日の産経新聞の連載コラムです。「屋上緑化」について書きました。この分野はまだまだ伸び代があると思います。
ただ単に緑を置くのか、プラスα、防災、減災、生態系保持にも工夫されている緑化にするのか大違い。
また、太陽パネルはヒートアイランド現象を招くとも言われています。ビルの屋上はパネルよりも緑。それが僕の考え方です。
2025年8月7日掲載
産経新聞直球&曲球「屋上緑化」のメリットを見直せ
「日本の街は緑が多い。特に東京は大都市であり、コンクリートのイメージが強かったが、街中に緑が多くて驚いた」と何人もの外国人が話していた。彼らが言うのは、例えば街路樹の多さだ。
石原慎太郎さんが東京都知事のとき、「街路樹を50万本から100万本に増やす」と表明。当時の都幹部は「街路樹が倍になり、街の景観は明らかに変わった。大変でしたが、達成感も大きかった」と話していた。
さらに公立学校の校庭の芝生化にも着手。ゴミを埋め立てて造った島に植林活動を行い、約24万本もの木を植えた。「ゴミの島を森の島に変えたのは世界で初めての試みだ」と胸を張った石原さん。
最近、気づいたのはビルの屋上が次々と緑になっていること。屋上緑化である。実はこれも石原さんの仕事だ。
都条例で、一定基準以上の敷地における新築、増改築の建物に対して、敷地内(建物を含む)への緑化を義務付け、平成12年度から20年あまりの期間で、東京ドーム約50個分の屋上緑化が施工されたという。
屋上緑化のメリットはヒートアイランド現象の緩和に伴う省エネ効果だ。特に都市での屋上緑化は水分蒸発などの潜熱で気温を下げる効果がある。植生も「地域性種苗」を多用すれば、外来植物を抑え、周辺地域の生物多様性の保全にもつながる。
近年頻発する「豪雨」の対策にも。屋上緑化は「雨水流出抑制施設」にもなる。つまり、雨水を一時的にため込むことにより、下水道や河川などへ一気に雨水が流れ込むのを防ぐのだ。
「屋上緑化先進国」であるドイツは所有地からの雨水排水量が水道料金に加算されるため屋上緑化が普及し、今では屋根の約10%が緑地になっているという。屋上緑化は環境面のみならず、防災の観点からも注目されている。
ただ近年、日本では屋上にソーラーパネルの設置が呼びかけられているからなのか、屋上緑化の普及に陰りが見える。より高度で質の高い屋上緑化を目指す方が大都市における環境&防災対策につながると僕は思うのだが。