2000年エベレスト清掃登山 , ヒマラヤ

2000/05/08

ABCからノースコルへ

8時起床、といっても例のごとく殆ど寝付けず。太陽の光はあるものの、吊るし雲やすじ雲に空が覆われ、天候がまた崩れる事ぐらい素人でも分る。村口カメラマンとも話しをしたが、もう5月上旬なのにまだノースコルに到達していないのは、あまりにも展開が遅すぎる。後の日程を思えばノースコルへと上がるしかないと判断し、12時ABCを出発。ノースコル4時着。6400メートルから7000メートルまで、ひたすらに氷壁を登るのだが、97年のチョモランマ発挑戦では、なんと5時間以上かかったわけだから幾分かの成長を感じないことも無かったが、しかしまだまだだ。

 あの97年、初めてノースコルに到達したときABCにいるスタッフに「赤潮が来たときの魚の気持が分ったような気がします」と伝えるほどに息苦しかった。

 天候はやはり懸念していたように途中から雪となり、このノースコルでも過去何人か雪崩で亡くなっているので嫌な気もしたが、それ以上に展開の遅さに気が滅入りそうだった。 ABC出発直前に玉置幸二の「田園」を聴き気合を入れた。

 ノースコルの夜中は想像していたがやはり息苦しく何度も酸素ボンベを出そうかと本気で体が求めたが、ここで酸素を吸ったら高度順化が失敗すると・・と、我慢しなきゃ我慢しなきゃと、耐えに耐えた。こんな時はなんて夜が永いんだと、夜を嘆いた。翌朝、鏡をのぞくと憔悴しきった自分の哀れな顔に驚いた。最初から人に自慢できる顔ではなかったが、それにしてもあまりにも醜い我輩の顔に悲しさがこみ上げた。そしてネパール側からはどす黒い雲がノースコルを越えチベット側へと流れ込んできた。季節はずれの黒い雲がまたなんとも不吉であり、自身の体調を考えると下山したほうが良いと判断し8時20分、下山開始。10時、ABC着。軽く朝食を食べ、そのままBCへと下り始めた。2時頃、とんでもなく雪が降り始め、視界もままならぬ程で、7時BCに着いたときには雪にまみれまるで雪だるまであった。疲れ果て食事も満足にとれずそのまま寝袋に入った。

 何日振りだろうか、知らぬうちに深い眠りについていた。

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