ヒマラヤ , マナスル基金 , 富士山清掃 , 私の進む道

2007/01/01

2007年わたしの進む道

2007年がスタートしました。昨年はマナスル清掃活動を無事に成功させ、そして富士山は富士山クラブと連携し全国から4800人の参加者が集まり、ゴミ回収量は80トンを超えました。小池環境大臣(当時)も樹海での清掃活動に駆けつけてくださり、また静岡、山梨両県警も不法投棄取締りを強化しパトロールを開始。富士山での清掃活動を始めてから7年目。細々と行ってきた清掃活動も今や全国的に知られるようになり、富士山での活動を見本にしようと私のところには多くの団体、また地方自治体から連絡が入ります。「富士山から日本を変える」をスローガンに富士山クラブと取り組んできたこの7年間に一切の無駄はありませんでした。コツコツと地道に活動を続けてきて本当に良かった。大切なことは続けること。昨年も多くの仲間、スタッフに助けられ充実した結果を残せた年でした。

 しかし、残念な事もありました。7月に父と慕っていた橋本龍太郎氏が突然の死去、9月には祖父のような存在でした花田左右平氏の死去、10月にはシェルパのプルバがヒマラヤ登山中に雪崩による遭難死、11月には母、容子が3年間もの闘病生活についに力尽き亡くなりました。胸にポカンと穴が開いたような脱力感、孤独感に襲われましたが、時間は止まってくれない。どんなことが起きようが必ず明日がやってくる。残された者はその遺志を受け継がなければならない。人生には生きる覚悟もあれば死ぬ覚悟もある。その重みを充分に感じ、また与えられた使命を背負って生きていく事を決意した年でした。

 今年の目標はまず10年ぶりにチョモランマ(エベレストのチベット側からの名称・99年に登頂したのはネパール側から)の頂を目指します。97年に始めて挑んだチョモランマ。無残に敗北しベースキャンプで「いつか必ずリベンジする」と誓ったチョモランマ。  
 そして今年はチョモランマ、富士山同時清掃活動を展開します。遠征期間の前半にチョモランマ山麓のチベット人の村からアドバンスベースキャンプ(6400m)までを清掃。そして後半は山頂アタックに専念させていただきます。自身の夢に命を懸けるほど贅沢はありません。再びチョモランマに挑戦できる幸福に感謝し、初心に戻り我武者羅に8848mの世界最高地点を目指したい。

 そして次に昨年末に立ち上げたマナスル基金ですが、発表と同時に多くの方々から援助を頂きました。お蔭様で夏にはマナスル麓のサマ村の学校に寄宿舎を建設できる見通しがつきました。マナスル基金を思いついてから、改めてエベレスト初登頂のエドモンド・ヒラリー卿の偉大さを感じました。ヒラリー卿は1953年にエベレストに初登頂されてから今日まで50年以上も、シェルパの村々に学校や診療所を建設、そして植林まで活動を続けています。

 それに比べ1956年にマナスルに日本隊が初登頂しましたが、私達は一体何をしてきたのでしょうか。50年前に貧しかった日本社会、その時に日本隊がマナスルに初登頂し日本中が湧き記念切手まで発行され、なかには「これで終戦は終わった」と表現した方もいたようです。昨年、マナスルで日本隊によって捨てられた日本語のゴミを回収しながら、本当にこれでいいのだろうかと悩みました。私達はヒラリー卿の生き方から学ぶべきことがあまりにも多い。ヒマラヤ、そして登山隊を支えてくださった地元の人々への恩返しは、50年経った今からでもけっして遅くはない。
 
 そして国内での活動ですが、今までエベレストや富士山で清掃活動を行ってきたのは問題提議としての意味合いも含まれてきました。清掃活動を続けながら次の課題にも挑戦しなければならない。環境問題の相手は人間社会。それだけに複雑です。表面的には多くの方々が環境保護活動に共感しますが、その裏では熾烈な抵抗もあります。その人間社会の中心に環境問題を取り入れるにはどうするべきか、課題や超えなければならないハードルはいくつもある。その1つ1つに取り組んでいきたい。「美しい日本を作ろう」といった言葉をよく耳にしますが、日本はそもそも美しい国でした。私は美しい日本を取り戻したい。その為にも「富士山から日本を変える」をスローガンにさらに前へ前へと進みたい。

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