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ツバルから帰国!南国から雪国へ、そして再び南国へ

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2008/03/16

ツバルから帰国!南国から雪国へ、そして再び南国へ

        (写真はクリックしたら大きくなります)

 3月12日、南太平洋に浮かぶツバルから帰国。13日は一日事務所にて取材。夜は久々にもう一人のお母さんである植村公子さん(植村直己さんの奥様)とお食事。公子さんと過ごしている時は、なんていうのか実の母親に抱かれているかのごとく心底安心する。ふっと肩の力が抜けて癒される。植村直己さんも冒険の合間にこうして公子さんに癒されていたんでしょうね。公子さんと時を過ごせた植村直己さんが心底とても羨ましい。
 
 14日はテレビ神奈川のロケで早朝から神奈川県の丹沢登山。残雪に雨。雨でぐちょぐちょの雪道を雨にうたれながらの登山。あの猛暑のツバルから帰国し一転この寒さに体が驚き悲鳴をあげる。雨でパンツまで濡れその主はまるで塩をかけられたナメクジのように実に哀れであった。
ロケ2

丹沢でのロケ 雨でパンツまでずぶ濡れに 

 丹沢は「神奈川県の屋根」でありまた同県に水を供給している「緑のダム」としての機能を果たしている。その丹沢の山々が地球温暖化や大気汚染の影響を受け急速に荒廃していたのには驚いた。ブナの立ち枯れ、増え続けるシカによる食害、山の保水力の低下による土砂の流出、沢の水量の低下など環境悪化は年々進んでいる。tvk(テレビ神奈川)のシリーズ「蘇れ、地球!大自然の悲鳴~ヒマラヤ&丹沢からの警告」にて3月21日20時~20時55分まで放送しますのでぜひご覧ください(テレビ神奈川が見れる地方の方は)。
ロケ1

立ち枯れのブナ

ロケ3

 
 下山後、そのまま羽田に直行。夜の便で北海道、札幌へ。15日は北洋銀行主催の環境セミナーにて講演。今年は北海道にて洞爺湖サミットが開催される影響か、環境系の講演会や子供環境サミットのような各国の子どもたちを招待して環境問題などをテーマに子ども達によるサミットが多く予定されている。私だけでも洞爺湖サミット前後に北海道で3回ほど子供サミットにお呼ばれしている。私が経験してきた事を可能な限り世界の子ども達に伝えたい。まあ~その前にヒマラヤ遠征があるので帰ってこれたらの話ですが・・・。
 
 帰国してみるとつい先日までいたツバルがなんとなしか恋しくなる。確かに気候変動による海面上昇や大潮による畑の塩害や井戸水の塩化は深刻。しかし、厳しい状況にあるにも関わらず南国気質なのか地元の人々には悲壮感など微塵も感じさせずに実に楽しそうで昼間からビールに酔い、また夜な夜な朝方までディスコからの騒音に我々が苦しんだほど賑やかだ。私もその開放感からかよく飲んだ。記憶の無い夜があり次の日にスタッフに「昨夜は飲みすぎですよ!お陰で大変な目にあいました!」と真剣に叱られた。そして楽しかったのが離島からの帰りにコスモ石油の鴇田環境室長とどちらが先に魚が釣れるかを競い、私が勝利!悔しがる鴇田さんに勝利宣言。男はどんな些細なことであろうが勝負は勝負である。
魚釣り

やった!鴇田さんに勝った!

 それはそうと、ツバルの刑務所にも訪れたが、受刑者は二人(どちらも無期懲役刑・殺人犯とレイプ犯)。刑務所といっても檻などなく自由に出入りできる。許可申請も必要なく自由にインタビューさせて頂いたが、驚いたことに受刑者は土日に帰宅できるとのこと。受刑者の一人が「平日はここにいなきゃならず暇だから自分で刺青をいれているのさ!」と自慢げにその自身で掘った刺青を披露してくださった。なんとも能天気なお国柄というか国民性である。

 日本からの報道陣は「高波に逃げるツバルの人々」を想定し取材にやってくるが、その抱いていたイメージとのギャップに呆気にとられている姿がいかにも日本人的で可愛らしくもあり、また時に滑稽であった。

 カメラマンの遠藤秀一さん(ツバル・オーバービュー代表)から聞いた話で印象的だったのがツバルでは自殺なる行為は5年に一度あるかないかとか。方や年間3万人以上もの自殺者をだす日本社会。あるツバル人が遠藤さんに「そんなに危ない国(日本のこと)に住んでいないで安全なツバルにきなよ」と言ったそうな。笑い話なような話であるが本質を突いていなくもない。ツバルの人口が大よそ1万人だから日本ではツバル人口の約3倍が自殺している。我々からしてみれば日本の人口が約1億人として、その3倍となる3億人が毎年自殺する国があるとするのならばその国に対して彼ら同様の印象を抱くだろう。
能天気な現地人1

能天気2

陽気で明るい現地の人々

 それにしても日本人は実に律儀である。昨年の「第1回アジア・太平洋水サミット」でツバルのイエリアム・ツバル首相が来日し福田首相と会談。その席で福田首相が「近々、ツバルに調査団を派遣します」と約束しその直後に環境行政のトップである鴨下環境大臣を派遣。そのスピードある対応にイエレミ首相は「日本人は約束を守る」と表現していた。鴨下大臣のツバル入りを皮切りにJICAや環境省、国交省、大学の先生方(専門家)が年明けからわんさかツバル入りしている。人口4000人のフナフティ(ツバルの首都)に多い時で40人以上の日本人が詰めかけていた。

 取材班も我々以外に環境番組の撮影でスポーツキャスター(元オリンピックの水泳選手)の田中雅美さんがナビゲータとしてツバル入りされていた。以前、ある雑誌で田中雅美さんと対談していたのでツバルでの再会にビックリ!世の中狭くなったといってもツバルで・・・。これは運命的な出会いかな(笑)過去に一度お会いして、その力強くまた綺麗な目の光に、美しくまた時に厳しい生き方をされてきたゆえにだろうと、彼女のエネルギーを感じ、またいつの日にかお会いしたいと思っていただけに想定外の再会は素直に嬉しかった。目はその人の内面を表しているもの。一度、オリンピックから身を退き引退されるのだが、再びオリンピック出場を決意しカムバックする精神力は並大抵ではないはず。そして確かに出場を果たすのだからあっぱれ。格好いい。私は目に力があり、また澄んでいる人を男女問わずに好きなんだなぁ~。また雅美さんと再会する日が楽しみ。素敵な再会に感謝!(私が勝手に思っているだけでしょうが。雅美さんからしたら「この酔っ払い!暴れすぎですよ!ああ~うるさかった!」かもしれない。(ツバルでは飲みすぎ、また騒ぎすぎました。ごめんなさい)

田中さんと

水泳選手の田中雅美さんとツバルで偶然に再会

 そして我々が帰る便で入れ違いでツバル入りしたのが藤原紀香さん。確かNHKの環境番組?のロケでした。ツバルの飛行場は(飛行場といっても小さな小屋)我々や調査団関係者含め日本人で溢れかえっていましたが、飛行機から降りてくる紀香さんの姿が見えると興奮状態で必死にカメラに収めようといい年したおじさん達の姿が実に微笑ましかった。調査に入った方々の顔は日に焼け、頬がげっそりと瘠せ、厳しかった調査活動のご苦労が私には十分理解できていたので、紀香さんの登場に無邪気に喜ぶ彼らの姿に人ごとながらとても嬉しかった。男とはいかにも単純な生き物ですが、所詮、世の中、男と女。確かに環境問題も大切ですが、その前に男の最大の関心事はどうであれそれは異性でしょうに。「女よりも環境問題さ!」と建前抜きに本心で語っている男がいたとしたら私には到底理解できない宇宙人。

 それにしても日本人は誠実だ。ツバルの現地の方が優雅に楽しんでいる時に遊びもせず朝から打ち合わせを行い灼熱地獄の中、海岸の浸食被害などの調査を行っていた。私のマングローブの植樹だってかなり過酷であったが、毎日続く調査はそんなものではない。夕食時にあるレストランで一緒になったが、食後も決まって翌日の打ち合わせを綿密に行うところがまた日本人だ。どこに行っても日本人は日本人。勤勉、真面目、そして律儀。その国民性ゆえに焼け野原から60年足らずでこれほどの経済大国に成長したのでしょう。調査団の皆さんに心から敬意を払います。

 明後日からは遺骨収集の為にフィリピンのセブ島へ。遺骨収集活動については明日のブログにて紹介したいと思います。セブ島までに(つまり明日までに。書けるかなぁ~)ツバルの残りのレポートを書きあげ野口健HPアップしますのでご覧ください。それでは、お休みなさい。

3月15日 東京にて 野口健

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