2008年エベレスト清掃登山 , ヒマラヤ , 氷河湖・水環境

2008/04/11

水力発電所視察からのヒント

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 ナムチェバザール村からターメ村方面に向かう途中に1995年にオーストリア政府によって建設された水力発電所がある。ナムチェバザール一帯の村々はこの発電所から送電されている。ターメ村手前の丘の上に貯水池があり、そこから地下に埋められているパイプを通って205メートル下流に落とすときの水力で発電する。発電量は二機で600キロワット。

タモーにある水力発電所

タモーにある水力発電所

水力発電所ない

水力発電所内

 地元シェルパによれば「この発電所のおかげで村に電気が来て生活が変わった。それまでは、木を伐採して暖をとったり、食事を作ってきた。しかし、電気のおかげで薪を使う量が減った。」また、電気を使うことによって、ロウソクを使うことが無くなり、視力の低下も防げるとのこと。

 今回なぜ、水力発電所を視察したかというと、例えば氷河湖の水を抜く時に、その抜いた水を使って発電することができれば、エベレスト街道の上部(4000m以上)の未だ電気の無い村々に送電ができやしないか?氷河の水を抜くプロジェクトを、日本の企業などが参画して、水力発電所を建設することによって排出権取引のような仕組みが出来やしないか?氷河湖の水を抜く事業はかなりの資金がかかるだろう。企業とのタイアップ等によって実現可能になってくるのではないだろうか?などと、素人ながらにイメージしてしまう。

 視察後、昨年夏のクンデ村で起きた土砂崩れ現場向かった。詳しくは昨年12月のWEBに紹介しています。関連WEBページ「クンデ村の土石流」

水路2

水路

  現場では、昨年訪れた時には見られなかった、水路が出来ていた。土砂崩れ跡地は雨期になると川になりやすい。川の水が土砂を運び、新たな土砂崩れをうむ。水路を作ることによって、地面が削られず新たな土砂崩れを防ぐということなのだろう。

 ただ、昨年の土砂崩れによって致命的な事が起きていた。それは、大量の土砂が畑に流れ込み、一面砂に覆われていた。昨年の12月に土砂崩れによって住居の一部が破壊されたミンマ・ドマさんと再会。ミンマ・ドマさんは砂に埋まれた自分の畑を指さしながら「もうこの畑では農作業ができない」と、嘆き途方に暮れていた。

クンデ村で土砂崩れの被害を語るミンマ・ドマさんとの再会

クンデ村で土砂崩れの被害を語るミンマ・ドマさんとの再会

クンデ村の土砂崩れによる傷跡(1)

クンデ村の土砂崩れによる傷跡(1)

 一面覆われている砂が、風や雨季の雨水により広がり、砂が砂を呼びいわゆる砂漠化現象が引き起こされていくだろう。事実、部分的には既に砂漠化が始まっていた。ヒマラヤ地域では、このような事が各地で起きている。ゆえに、水力発電等により木の伐採が減少し、そして植林活動を行うことによって土砂崩れ対策につながっていくのではないだろうか。

砂で埋まってしまった畑に呆然とする

砂で埋まってしまった畑に呆然とする

砂に覆われた畑

砂に覆われた畑

2008年4月10日 クムジュン村にて 野口健

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