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バンコクの夜

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2009/01/03

バンコクの夜

 バンコクは半袖一枚でちょうど快適な気候です。カメラマンの平賀淳君とタイスキを食べて、タイマッサージで全身をほぐいてもらってから夜の町をちょっと散策しましたが、なんとも開放的で人々も実にカラッとしていて、今の日本の閉塞感とのギャップを心底感じていました。なんせ日本国内のニュースは暗すぎる。マスコミによってあれだけ不景気をあおられてしまっては、逆に不景気に拍車がかかってしまうのではと思いますね。そして派遣切りに関して「弱者の立場」「弱者を守る」といったような言葉が日々テレビのコメンテータから聞かされますが、この「弱者」といった表現こそが上から目線でしょうに、この言葉の乱用こそが彼らが言う弱者を生み出す要因になるような気がしてならない。

 インドやネパールなどカーストが低い人たちはどんなに努力しようが、優秀であろうが、天才であろうが、生涯にわたって差別され続けていますが、それに比べ日本社会は生まれもって強制的に強いられる弱者が果たしてどれだけ存在しているのだろうか。日本では職業の選択の自由がしっかりと保障されているではないか。ネパールでは階級によっては一緒に食事することすら許されていないのだから。

 先日、建築家の安藤忠雄さんと対談しましたが、今では世界的な建築家として世界に評価されていますが、高校生時代は経済的な問題で大学に進学できなかった。そこで安藤さんはケンカしてお金が稼げるとボクサーになるものの、ボクサーの世界で頂点に立つことに限界を感じ引退。それから独学で建築学を学ばれたそうです。安藤さんの言葉で印象的だったのが

「建築の世界ははっきりいって学歴社会なんですよ。どこどこ大学の建築学部卒業というのが力を持っていて学閥が幅を利かせる世界なんですよ。僕の場合は完全にアウトローですから、ただ、僕の場合は逆に高卒の安藤忠雄というのが注目されて、面白い奴だからあいつにやらせてみようとなった。ただ、そこが勝負で他の人には書けないような斬新な作品にしないとやっぱり高卒だからな、で終わってしまう。だから寝ないで書き続けた。必死にくらいつきましたよ」

 高卒というのを逆に戦力に変えた。ただその為にも人の何倍も努力を積み重ねたわけですね。一概に決めつける事はできないかもしれませんが、結果を出せば評価されるのが僕は日本社会だと思います。

 考えてみたら登山家だって一般的はもっとも食えない職業の1つです。学生の頃に山岳会の先輩方と飲んでいたら「山登りじゃどうせ食えないよ。社会的にも認められない。俺は京大を出たけれど山に登るために8年間大学にいたら、今じゃ二流の商社勤めだ。所詮、登山は評価されないんだよ」と愚痴っていたので、むきになって「いや、そんな事はないはず。俺は登山家でやっていく。必ず世に出てみせる」と反論したら「君はまだ若いね~そのうち現実が分かるよ」と相手にされなかったが、僕が最も嫌だったのが彼らの負け犬根性だ。気持で負けていてはそれはどこにいっても通用するわけがないだろうにと、小池百合子さんの口癖には「オンリーワンでありたい」と言った言葉をよく耳にするけれど、どんな世界にいても独自性をしっかりもっていれば、またそこに確かな戦略、ビジョンがあれば、可能性があるんじゃないかと、まあ~そんな事を感じていました。

 
 話は突然変わりますが、バンコクの夜はちょっと性に対して解放過ぎるなぁ~。目のやり場に困り、そしてなんといっても歩いていると声をかけられまくるわけで、この誘惑と戦わなければならないのがなんとも酷です。淳君と散策しながら二人して「僕たちは誘惑に対して弱いので早く帰ろう」とさっさとホテルに戻り男二人で一杯やりました。明日は半年ぶりのネパールです。それではおやすみなさい。

2009年1月2日 バンコクにて 野口健

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