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小池百合子さんを応援するわけ

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2009/08/27

小池百合子さんを応援するわけ

 いつも野口健の応援ありがとうございます。
現在、総選挙が行われておりますが、野口健は小池百合子さんを応援しています。
野口の著書『自然と国家と人間と』の中に、野口と小池さんの環境問題への取り組みを記した箇所がありますので、以下をご参考ください。

 野口健事務所


 環境仲間 小池百合子さんの取り組み

 〇六年三月下旬、私の携帯電話が鳴った。
「富士山での清掃活動ですが、私も環境大臣として参加します」

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 小池百合子さんからの突然の電話だった。それまで毎年のようにコロコロと変わっていく環境大臣にお会いしては「日本の象徴である富士山がごみだらけになっています。一度現場にいらしてください」とお願いしてきたが、一度たりとも実現しなかった。それだけに小池さんからの返事には驚いた。
 その夏には私たちと一緒に二時間以上も樹海で不法投棄されたゴミを拾い続けた。
「ひどいゴミでした。これから環境省は本気で取り組みます」と記者団に向かって力強く話す小池さんの姿に胸が熱くなった。
 清掃活動を続けつつ、私はいつも行政や政治家の方々に現場での出来事を伝えるよう努めてきた。私たちのようなNPO法人などの民間団体の取り組みも必要だが、自然を守るためにはシステムをつくらなければならず「民」だけでは限界がある。
 一部の環境保護団体からは「何もしてこなかった行政や政治家と接触することに抵抗がある」「政治利用されるだけだ」などと批判された。確かに、樹海の土壌汚染につながる医療廃棄物などの不法投棄の深刻さを環境行政の方に伝えても、「実際に水源地が汚染されたデータがでてこないと対応できない」と突き放された時には、怒りを通り越して寂しかった。現実に目を背けたがる行政に怒り「それならば自分たちだけで」となる背景はよく理解できる。

 しかし民が動き、その活動が大きなうねりとなって官や政を動かさないことにはどうしても運動に限界はある。また環境保護団体の方々は政治家や官僚を一方的に毛嫌いする傾向が強いが、全ての政治家、官僚がダメなわけじゃない。
 今までの環境大臣と違い、小池百合子さんは徹底した現場主義だった。環境大臣就任後、日本各地の国立公園の視察を行い、私が同行した尾瀬サミットでは環境大臣初参加だった。サミットの会場となる尾瀬沼まで登山を行うのだが、当日は朝からどしゃ雨。県知事たちは「この雨の中で歩くのはちょっと厳しいですな」と明らかにイヤイヤモード全開であったが、小池さんは大きな声で皆に聞こえるように「野口さん、このくらいの雨なら問題ないですよね。行きましょう!」と雨具を取り出した。これでは誰も嫌とは言えず雨の中の登山が決行された。
小池大臣の行動力と強いリーダーシップには度々驚かされた。政治家や経済界の面々からも「環境問題は経済の足を引っ張る」といった批判が聞こえてくる中で、小池さんは環境大臣として戦った。

 「国立公園を守るレンジャーが少ない」と小池大臣に提案したら、その半年後にはアクティブレンジャー制度(レンジャーの補佐役)を立ち上げ、五〇人もの新隊員を全国に配置した。また既得権が邪魔し誰も手を付けようとしなかったブラックバス規制、環境税の必要性、クールビズなども積極的に取り組まれた。
 
 ブラックバス規制では、日本固有の生態系を守るため〇五年に施行された「特定外来生物被害防止法案」の規制対象リストにオオクチバスを含めることに対し、釣り具メーカーやその関連団体から支援されている政治家や審議会の委員らが強く抵抗し、「オオクチバスの規制よりも開発汚染や生活用水による汚染を先に解決しろ」と小池さんに迫った。しかし小池さんは「それとこれは別問題であり、結論の先送りでしかない。法の趣旨から考えても指定すべき」と決断し、オオクチバスを規制リストに入れた。

 その結果、反対団体から小池さんの事務所宛てに数千通に及ぶ抗議のファックスが連日届いた。それでも小池さんは「私は環境大臣として当然の決断をしただけ」と一切怯まなかった。オオクチバスの問題は調べれば調べるだけ裏でドロドロとした利権がからんでいることが分かる。それだけに今までの責任者たちは手を下そうとしなかったが、小池さんは違った。

 そもそも釣りをして魚を捕るという行為はお魚の命を頂いて感謝しながら食べる。つまり生を繋いでいく為だが、しかし、スポーツの為に釣っては放す行為は、命をもてあそんでいるような気がしてならない。これは私特有の屁理屈に過ぎないのだろうか。

 〇五年六月には地球温暖化防止キャンペーンとして「クールビズ」がスタートした。小池さんは提案から約一年掛かりでクールビスを実現させたが、私は正直、人々に浸透するのかどうか疑問だった。なぜなら昔、羽田孜氏らによるスーツを半袖にした「省エネルック」を呼びかける運動があったが、世間は一切の関心を示さなかったからだ。

 登山家になり、スポンサー集めのため企業を回っていたころ、相手はビジネスマンでも自分は登山家だからいいだろうと思い、ノータイで面会したら「学生とはいえ、ネクタイも着けずにあいさつに来るなんて非常識だ」としかられた事がある。
 だが、今やどうだろう。エベレスト帰還の報告のためスポンサー企業にネクタイをきっちり締めて出向いたところ、向こうはみなノータイだった。

 「野口さん、ネクタイ外していいですよ。その方が楽ですから」
 革命的変化である。クールビズのスタート直後、小池さんはパリまで足を伸ばし、エルメスやクリスチャン・ディオールといった世界の一流ブランド店を訪問したという。世界のブランド相手に「東京はアジアにおけるファッションの発信基地。日本で『クールビズ』を大キャンペーンする」と環境大臣自らPRした。
 昔の省エネルックはお世辞にもオシャレとは言い難い代物だった。そこで小池さんは一流ブランドの力を借りて、クールビズの「ドレスアップ」を狙ったのだ。クールビズはファッションを変え、さらには温暖化対策に多くの人の関心と共感を呼ぶきっかけとなった。

 ある研究によれば、ネクタイを外して襟元を開くだけで体感温度が二度涼しくなる。その結果、三二・七%の企業がオフィスの冷房を以前より二度ほど高めに設定し、二酸化炭素の排出量はひと夏で四六万トンも減ったという。一方で、アパレル業界を中心に大きな経済効果も生んだ。「環境保護は経済の足を引っ張る」。そんな声がいまだ経済界から聞かれるが、クールビズこそ小池さんが目指した二十一世紀型の「環境と経済の融合」の姿なのだろう。

 また最近になって環境税の必要性が再び問われるようになったが、そもそも小池さんが多省庁に対し環境税の必要性を訴えてきたのである。
お食事をご一緒させていただいた時、小池さんは会議が長引いて三〇分ほど遅れてやってきた。入ってくるなり「環境税に対し多省庁からの抵抗は凄まじい。さっきまで議論していました。環境省が弱小官庁だからといって軽く見てもらっては困る。私は戦うわよ」と闘志満々だった。

 それから小池さんは「温室効果ガスを多く排出する企業や団体から税金を徴収し、その収入をエコな会社づくりに使う。環境関連産業の育成や省エネ機器の購入増進、クリーンエネルギーへの転換、森林設備など使い道はいくらでもある」と訴え続けてきた。あの頃、環境税導入に対し多方面から逆風の嵐であったが、最近の世論調査では五〇%以上が支持している。小池さんが蒔いた種が育ってきたのだ。
小池さんはよく「鉄の女」と呼ばれたサッチャー元首相の言葉を引き合いに出す。サッチャー氏の言葉で「これからはコンセンサス(合意)よりもコンビクション(説得)の時代だ」というものがあるが、小池さんは「全員のコンセンサスを取っていたら『やるべきこと』ではなく『やれること』しか実現できなくなる。リーダーが山の山頂があそこだ!と目指すべき場所を決める。まさにこれが政治家の役割でしょう」と繰り返し話していた。

 日々現場で活動している人には現場の体温がある。時に政治家やお役所などに活動報告にあがると「あっそうですか。御苦労さまでした」と冷たくあしらわれることがある。そんな時に現場の人間との温度差を感じてしまうが、しかし現場に来てもらえば分かってもらえることが多い。
 
 一緒にごみを拾っているうちに、気がつけば同じ体温になっていることが何度もあった。環境問題に必要なのは現場感覚である。

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