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2013年ヒマラヤ遠征

生きていれば色々あるもの

2013年ヒマラヤ遠征

2013/04/16

生きていれば色々あるもの

再びヒマラヤにやってきましたが、ヒマラヤに来るたびに色々とあるものです。

2年前のエベレスト遠征では酸素ボンベのレギュレターが故障しサウスコルの手前で吐き気に襲われフラフラしながらベースキャンプに降りた。しかし、吐き気が続き、また凄まじい頭痛に襲われた。「これは脳をやってしまったな」と帰国直後に検査をしたら脳浮腫だった。高山病が悪化すると脳浮腫になることがある。そして脳内出血を起こしヒマラヤで命を落とす登山家も。それにしても酷かったのがカトマンズの病院。「脳のMRI検査をしてくれ」と何度お願いしても「なぜ?」と医師。エベレストでの出来事を事細かく説明しても「大丈夫だ。心配ない」を繰り返す。「大丈夫の根拠は?」と聞いたら「さっきからあなたはよく喋っている。元気だよ」と。いやはや。

そしていつだったかヒマラヤ登山を終え山麓の村に降りてきたらワンコロが尻尾を振りながら満面の笑顔で近寄ってきた。僕の足元までやってきたのでスッと手を出したら「ウー」といきなり唸りだしガブリと僕の手に噛みついてきたではないか。こちらもビックリ仰天し蹴りをいれて追っ払ったが手首から血が流れている。傷自体は大したものではないが頭の中をとっさに浮かんだのが「狂犬病」。日本に獣医の友人がいるので衛星電話で狂犬病について聞いてみたら「ケンちゃん、狂犬病は発病したら100%死ぬよ。ネパールも狂犬病は多いはずだよ」とのこと。「その噛みついた犬はヨダレ垂れていなかった?」そして「その犬がまだ発病していない可能性があるから村にいるほかの犬を観察したほうがいいよ。一頭でもヨダレを垂らしていたら危ないね~」と。仕方ないので村中を歩き回りながら犬という犬の観察を続けていたが結局分からず。カトマンズに降りてから注射を打ったが、それにしてもどうしても僕には分からない事がある。あのワンコロは何故に尻尾を振りながら満面の笑顔で僕に近づいてきたんだ。あのガブリは一体なんだったんだ。実にヤヤコシイ奴でした。

去年の春の遠征ではムスタンをキャラバンしていたが朝起きたら6人のポーターがいなくなっている。確かに「雪が多く辛い」とぼやいていたがまさか逃げ出すとは。仕方なく村人と交渉しロバを6頭借りた。そのロバに荷を積み二日目。標高が4000Mを超えとても寒い夜だった。翌朝、そのロバたちの姿が見えない。なんてこった、今度はロバに逃げられてしまった。最終的にはロバ使いに捕まったロバたちはトボトボと戻ってきたが。その夜からはもう逃げ出さないようにロバの足をロープで縛ったけれどね。ポーターにもロバにも逃げられトホホ。僕はそんなに嫌われているのかな。

この年末年始の冬のヒマラヤでは体調不良に悩まされ怠くてどうしようもなかった。帰国し検査したら蓄膿症の悪化。しばらく鼻から膿が流れ続けていた。蓄膿症ってやつは本気でシンドイ。蓄膿症やりながら山に登っていたのだから泣きそうだった。

そして今回はヒマラヤに来る直前から右手の痺れが始まる。原稿の締め切りに追われていたのでパソコンの影響かな?とさほど気にしていなかったが、ネパールにやってきてから右手のビリビリピリピリが激しくなり、再びネパールの病院へ。「MRI検査をお願いしたい」と訴えたものの、再び「大丈夫だ。問題ない」と言う。「その根拠は?」の問いに「あなたは手だけが痺れていると言っている。脳や首が原因ならば肩、腕、手と全部が痺れる。手だけというのは手の血行障害が考えられる。つまり脳と首のMRIは必要ない」と。前回の事があったので「ハイ。そうですか」とはならず「日本の医師にもMRI検査をした方がいいと言われている」と粘りに粘った。

そしてようやくMRI検査へ。その結果、首のヘルニアが判明。「6番と7番の骨の間の軟骨が出ている。手の痺れの原因はそれです」といったような説明を受けたが、驚いたことにその医師は「私は最初から6番と7番が怪しいと思っていた」と。流石にこれには心底驚かされたが、ここで議論しても意味がないので取りあえず「何に気をつければ?」と聞いたら「上も下も見てはいけない。重たい荷物は持ってはいけない」と。これからヒマラヤ登山なのに?

まあ~生きていれば色々あります。首に関しては、ここヒマラヤでは何も出来ないので帰国してからちゃんと対応しますが、何がシンドイかって、毎日手をピリピリビリビリさせながら山に登っていること。ピリピリビリビリにも慣れてきましたが、しかし、気持ちいいもんじゃない。「悪化するのでは?」という不安もあるわけで。とりあえず様子をみながらビスターリ、ビスターリです。

20130416090856.JPG4月12日いよいよキャラバン開始
20130416091001.JPG熱帯林を進む
20130416091034.JPG美しい麦畑

2013年4月15日 ベディング村にて 野口健

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