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産経新聞 野口健連載「直球&曲球」

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2018/10/26

産経新聞 野口健連載「直球&曲球」

本日(10月25日)の産経新聞に、野口健連載「直球&曲球」が掲載されました。古民家について、書いています。
ぜひ、ご覧ください。

産経新聞 「野口健の直球&曲球」
2018年10月25日掲載

『僕の心に新たな風 ワクワク古民家生活』
昨年12月から事務所を山梨県富士河口湖町に移転。周囲からは「東京から離れて大丈夫、仕事が減るのでは?」と心配された。
「登山家の事務所は山麓にあるほうがいいでしょう」と返事しながらも不安はあった。富士山清掃を始めて18年目。
近年は毎年約7千人が僕らの清掃活動に参加して下さりゴミは減ったが、それでもゴールは遠い。
事務所を富士山麓に移すことで「もう一踏ん張り頑張ろう!」と決断した。

また東京から離れてみたいとも。確かに大都会は便利ではあるが、しかし、山屋の僕にはあまりに忙しい。
まるで足を止めることが許されないかのような。気がつけば呼吸まで浅くなり、ビルのはざまから空を見上げては「ハァ」とため息。
小さなダメージが積み重なり、ついにごまかしが利かなくなっていた。

「生活環境をガラリと変えたい」と選んだのは築200年の古民家。12月に越したため、あまりの寒さにビックリ! 
古民家の中にテントを張ってみたりした。そこで古民家のリフォームも決断!
 まずは窓を二重窓に。巨大な掘りごたつを作り、部分的ではあるが天井に断熱材も。
ガランとした空間に色を加えることで暖かさも感じるだろうと世界中から集めた骨董(こっとう)品を並べたり。
どのような空間を演出していくのか、脳みそをフル回転。何よりも想像力が求められ、純粋に楽しんだ。
日頃、講演会などで全国を飛び回っているが「伝える」仕事で最も大切なことは自分がワクワクしていること。
心が疲弊し、疲れ果てていては負のオーラをばらまいてしまう。古民家での生活は僕の心に新たな風を吹き込んでくれた。

不安から始まった地方への移転だが、富士山麓の事務所も、住居となった古民家も自分に合った「気」に包まれている。
そして優しく僕を迎え入れてくれる。自分にあった環境は人それぞれ。
僕にとっての心地よさは「古さ」であり「不便」なのかもしれない。
引っ越しの多い人生でもあったが、やっと居場所を見つけたような気持ちである。

あっ、「減るのではないか」と心配された仕事もそう減ってはいないようである。
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