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尖閣諸島

産経新聞 直球&曲球

尖閣諸島

2020/11/19

産経新聞 直球&曲球

2020年11月19日産経新聞「直球&曲球」が掲載されました。

10月15日産経新聞「直球&曲球」が掲載されました。

「野口さんは冒険家だから島に上陸できますよね。状況次第では尖閣に上陸してもらいたい」と突然かつ驚きの連絡が入った。電話の主は石原慎太郎都知事(当時)の秘書官。平成24年4月に石原知事が「東京都として尖閣諸島を買いたい」と発表した直後だっただけに点と点はすぐにつながった。なぜ私に声がかかったのかは聞くまでもなかった。東京都レンジャーの名誉隊長を務めているからだ。

また、以前から尖閣諸島の生態系について興味があり、個人的に調べていた。驚いたのは実はあの小さな島は固有種の宝庫! 最も興味深かったのが「センカクモグラ」だ。通常のモグラの歯は42本。しかし、センカクモグラの歯は38本しかない。これ以外にも15種類ほどの固有種が確認され、大半が絶滅危惧種に指定されていたのだ。

 以前、人が持ち込んだ数頭のヤギが増殖して600頭(当時)を超え、固有種を含めた植物を食べまくったことや、ヤギの糞尿(ふんにょう)による土壌汚染が原因とのこと。尖閣諸島の生態系を守るためにはまず「上陸できる環境を整えること」「ヤギを尖閣諸島から取り除くこと」「生物学者が現地に滞在し調査活動を行える施設の建設」などの計画プランが頭に浮かび、22年10月に「センカクモグラを守る会」を立ち上げた。環境省に対し生態系調査を目的とした上陸許可の要望書を提出。国は「中国との間では領土問題は存在していない」という声明を出していただけに許可は出るかもしれないといちるの望みを抱いていたが、認められなかった。

 石原知事による尖閣諸島購入計画が大きく報じられる中、仮に都が購入できれば描いていたプランが実現できるかもしれないと心が躍った。しかし、周知の通り慌てふためいた政府が都よりも先に購入したために、またも頓挫。もしあの時に都が購入し、石原知事から「尖閣諸島に上陸せよ」と指示が出されれば迷うことなく実行に移しただろう。エベレスト挑戦前に石原知事から「エベレストで死んでもらっては困る。君にはまだこの国のために命を懸けてもらいたい」と伝えられた言葉がいまだに頭の中を木霊(こだま)している。
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