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産経新聞連載「直球&曲球」が掲載されました

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2022/09/27

産経新聞連載「直球&曲球」が掲載されました

産経新聞連載「直球&曲球」が掲載されました。
先日テロにより亡くなった安部元首相について、書かせてもらいました。

国葬に対し賛否あるのは理解できる。安倍さんは安全保障の強化などを積極的に行ってきた。「自衛隊は違憲」「日米安保反対」としてきた人たちから共感は得られづらかったのかもしれない。しかし国葬についての世論調査の結果10〜30代は賛成が多かった。世代よって安倍政治への捉え方が違ったのだろう。
安倍さんが選挙中に民衆の目の前で暗殺されるという、戦後平和だった日本では非現実的な惨事に多くの人々が戸惑い大きな衝撃を受けた。殺害現場や自民党本部前の献花台に長蛇の列。岸田総理が「国葬」を決断した一つのポイントなのでしょう。直後の世論調査では賛成が反対を僅に上まった。
吉田茂元総理の国葬の時にも賛否が分かれた。本来ならばその時に「国葬」についての根拠を国会で議論し明確にすべきだった。世論が激しく分かれる中でのこの度の国葬。ただただ残念。「全額税金」に対する批判を耳にする度に、ならば国民が寄付できる仕組みがあればと...。菅前総理の言葉が胸に沁みた。
一部、遺族が負担する「国民葬」的な形式ならば国民から寄付金を受け付けるスタイルをとれたのだろうか...。個人を偲ぶ葬儀に騒動は似つかわしくない。国葬の様子を眺めながら安倍元総理への深い感謝、そして「暴力には決して屈してはならない」社会を目指していかなければならないと強く感じていた。

2022年9月27掲載

先の参院選の最中、民衆の目の前で安倍晋三元首相がテロ事件によって暗殺され、日本中を震撼(しんかん)させた。日頃、政治に関心を持たない10代の娘までもショックのあまり涙を流し、「献花に行きたい」というので一緒に都内の自民党本部へ向かった。

その日は土砂降りの雨だったが、驚いたのは果てしない行列の長さだった。僕らは2時間ほどで献花台に花を手向けることができたが、振り返ってみたらその列はとどまることなくさらに延び、最終列は、はるかかなた。雨で衣服がずぶぬれになりながらも、列は途切れることもない。僕たちはこの光景にしばし立ち尽くし、手を合わせる人々の姿を眺めていた。

この光景、どこかで見たことがあるような...おぼろげな記憶がふと脳裏に浮かんだ。欧州に滞在していた中学生の頃、突然、現地のニュースが報じた「昭和天皇崩御」。子供ながらに衝撃的であった。わが家に天皇陛下のお写真が掲げられていたから、なおさらそう感じたのかもしれないが、胸に大きな穴が開いてしまったような喪失感。アスファルトを打つ雨の音とあの時に体験した記憶が混ざり合って、抑えていた感情があふれそうになり、思わず天を仰いだ。

安倍元首相に対する評価に賛否両論があることは知っている。しかし、それは戦後タブー視されてきた多くの課題に取り組んだ証(あかし)でもある。国家にとって必要ならば国民から厳しい批判にさらされても、やらなければならないのが政治だ。あの安保法制(平成27年成立)の時、大量に押し寄せるデモ隊に囲まれた国会議事堂の様子を眺めながら「安倍政権はいつまで持つのかな」「法案を取り下げるかな」と正直、感じた。しかし、安倍内閣は、ひるむことなく安保法制を成立させた。今日の国際情勢をかんがみれば安倍元首相の決断は正しかった。昭恵夫人は「(主人は)種をいっぱいまいているので、それが芽吹くことでしょう」と語ったが、そう願いたい。

ただし、芽吹き、大輪の花をつけるまでには、水や肥料を与えなければならない。そのことを、われわれは決して忘れてはならないだろう。

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