大石さんの原稿を読んでつくづくと痛感させられたのは植村直己さんもそうであったように、人生に於いて「完全試合」は極めて難しいということ。
どんなに一流の投手でも投げていて集中力がきれてホームランを打たれる事もあるでしょう。それが人間です。
ただ、登山家に於いては時にそれが命取りになるということ。
遭難に至る経緯はそれぞれ。
「運命」と一言で表現しても、命を運ぶ過程で本人の努力によって築き上げていくものもあれば、人間の努力なんてものが全く通用しない理不尽な運命もあります。
また本人とは別のところで大きな「流れ」というものも時に発生し。
「応援」というのは有難い反面、時に当事者を追い詰めていく事もあるのだろうと。
以前、植村夫人の公子さんが「植村はどうして遭難したと思いますか?」と。それに対し「自滅だと思います」と。しばらく沈黙があり...
それに対し公子さんは「私もそう思っていたの。でも植村の周りの人は誰もそれを言わないのよ」と。
ただ、プロでやっている限り最終的には本人の責任。僕はそう自身に言い聞かせながら生きてきました。
やむを得ない遭難もあれば防げた遭難もあるのではないかと。美化をするのは実に簡単で綺麗ですが、リアルに検証をする事の方が重要であると。
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