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マタギの姿から学ぶべきこと

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2006/10/09

マタギの姿から学ぶべきこと

環境問題への取り組みを始めて7年目になるが、環境問題ってなんなのだろうと首をかしげる事が多い。いくつもの環境保護団体が私に連携しようと接してくる。地道に活動してこられた彼らの活動を幅広く伝え広めていくことも私の役割だ。しかし、なかなか大変な団体も多い。ある時は鳥を保護している団体から連絡があり会うこととなった。食事をしながら話そうと和食屋で初対面し、まずは雑談や自己紹介から徐々に核心部へと話題を展開しようと思いきや私を囲むように座った6人が立て続けに「野口さん、鳥がですね」と訴えてくる。「鳥が、鳥が、鳥が」と連呼されれば、一人で彼らの意見を受け止めなければならない私はとても辛い。重苦しいその雰囲気を変えようと焼き鳥があったのでジョークのつもりで「焼き鳥ください!」と注文したら、メンバーの一人が本気で怒り私の注文を勝手にキャンセルした。焼き鳥を食べながら「鳥って美味しいね!でも守ることも大切だよね」みたいな感覚がとても大切なのである。全てではないがヒステリックに自分達の主張をぶつけて共感しないと弾圧してくるような組織が多い。

 毎年、マタギの方々と白神山地を歩く。彼らの自然との接し方こそが環境問題を考える上で大きなヒントになるからだ。白神山地が世界遺産となり環境保護が謳われ熊や山菜を獲るマタギの存在が環境破壊だと非難する団体が現れた。確かにマタギは熊などを狩猟してきた。ただ、彼らは必要な分だけ獲る。山菜も根っこを残し広範囲から少しずつ採取する。白神山地の恵を頂きながら感謝し祈りを捧げる彼らはけっして乱獲などしない。そしてなによりも白神山地に対して常に謙虚。私はマタギの生き方から人と自然の共生を学んだ。

 しかし、残念ながら今年からマタギの白神山地での狩猟は禁止されてしまった。こうして1つ日本から文化が消えようとしている。環境保護といったカードの使い方を間違えるととんでもないことになる。よくシンポジウムなどで「誰のための環境問題ですか」と参加者に質問すると「それは地球のためですよ」とかえってくる。もし、地球のための環境保護ならば極論かもしれないが人間など死んでしまったほうがいい。そうではなく、人間が健康に生きていくために必要な地球の資源を守っていくことが環境保護の本質ではないだろうか。人は地球の資源を頂かなければ生きていけないが、使い切っちゃうと死ぬしかない。保護か開発(破壊)かといったゼロか100ではなく、問われるのはそのバランスだろう。環境破壊だとマタギを弾圧するのではなく、逆に浪費癖が直らない都会人や環境原理主義的傾向に走りがちな環境保護団体の方々はマタギの姿から学ぶべきことがあまりにも多い。

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