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富士山文化世界遺産の暫定リスト入りについて

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2007/01/29

富士山文化世界遺産の暫定リスト入りについて

文化庁は23日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する世界文化遺産登録の暫定リストに富士山を加えた。長年、多くの団体が富士山の世界自然遺産を目指し活動を続けてきた。私もその一員として富士山での清掃活動を行ってきたが、環境省はゴミや乱開発等を理由に世界自然遺産登録は「可能性は限りなくゼロに近い」と悲観的であった。関係者の中から世界自然遺産登録を諦める声が増え、「自然遺産がダメならば文化遺産を目指そう」といった声に変わり始めていた。自然遺産が無理なら文化遺産にしよう!との声に当初、疑問を感じたのも事実。しかし、やれ文化だ、いや自然だと議論しているのは一部の人たちで大半の人にとって「世界遺産は世界遺産」だと気がついた。
参加者が集まらず苦戦していた時に「富士山を世界遺産にしよう」と呼びかけたら参加者がグッと増えた。日本人は「世界遺産」といったキャッチフレーズが大好きなのだ。それならば、「世界遺産」という言葉を前面に出してす事によって人々の意識を富士山に集中させようと考えた。いい意味で「世界遺産」を利用した。
だが、富士山を世界遺産にしよう!と声を上げれば地元の人も協力してくれるものと思い込んでいたがこれは甘かった。「世界遺産になったら規制ばかりで今まで通り好き勝手に商売ができなくなる」といった観光利権を抱えている人たちからの抵抗が始まった。実際にこの度の暫定リスト入りに対し富士河口湖町の小佐野町長は「開発への規制が増えると町民から反発が起きている。河口湖を登録地域から外すよう山梨県にお願いした」と語った。
環境問題は相手が人間社会だけにドロドロとしている。色々な意見の中からどの方向に進むのかを決めていかなければならないが、しかし100パーセント全ての関係者のみなさんがハッピーに納得していただく事は不可能。全ての意見に耳を貸していたら一歩も前に進めなくなる。そして富士山はさらに開発され、綺麗にしよう!と言ったローガンのみが空しく響き続けしまいに露と消えていくに違いない。本気で「やるのか、やらないのか」そろそろ腹をくくって取り組まない限り富士山は100万年たっても変わらない。
観光利権を多く抱えている河口湖の中から文化世界遺産を登録地から外すという意見に私は大反対だ。文化的景観を目指していくのならばあの富士山の玄関口でもある河口湖自身の景観を変えていかなければならない。世界の人に「どうですか!ここから見る富士山は!」と自慢したところで視線を移すと県道沿いズラリとならぶラブホテルの看板をそのままにしておいて、なにが文化的な景観なものか。世界遺産を目指すのならば私はハードルを低くするべきじゃないだろうと感じる。
以前、熊古道が世界文化遺産に選ばれた際は、当時の三重県北川知事が「知事は腹をくくった。世界遺産登録を目指します。したがって熊の古道のみならずあたり一面を文化圏にします。卑猥な看板は撤去していただきます!」とヤジが飛び交う中へ平然と言ってのけた。私は北川知事の勇気に感謝していました。河口湖も目先の利益のみに拘るよりも新しいスタイルでのビジネスのあり方について前向きに進んでいった方がいい。なにしろ富士山の玄関口でもある河口湖町自体を美しいと感じている人々が果たしてどれほどいるでしょうか。

この世界遺産暫定入りをきっかけに国民は祖国のシンボルである富士山がこのままの姿でいいのか、真剣に考え行動に移すべきではないだろうか。

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