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大津島での思いで

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2009/11/12

大津島での思いで

 今回、大津島で「遺骨収集から見える日本社会」をテーマに講演をさせて頂きましたが、私に声をかけて下さったのが、大津島にある宿小屋場只只のオーナーの水本雄二さん。水本さんと昨年初めて大津島に訪れた時にこの只只さんに宿泊させて頂いてからのご縁となりました。ほとんど宿のない大津島に一組限定の貸切宿を建てられたのですが、水本さんの中で「回天」の事を一人でも多くの方に知って頂きたいという思いで、回天の訓練基地が見渡せる丘に只只はある。私のスタッフが調べて予約していたので、私はどのような宿なのかまったく把握しないまま訪れたので、その景色から建物のセンスから料理からどれをとっても今まで宿泊した宿の中で他を圧倒するインパクト、これほど感動した事はない。それは都内のどの最高級ホテルのスイートルーム(泊まったことないが)よりも過ごす意味のある空間でした。
只只さんからの絶景
只只さんからの絶景
只只さんで頂く朝食
只只さんで頂く朝食

 ただ1つ残念なのが、いつも一緒に泊まるのがスタッフの小林君。せっかくの貸切宿も男二人では・・・。野外には五右衛門風呂があり、男二人で入るには、ピッタリのサイズで互いの体をピタリと密着させることになる。なんとも奇妙な感触を体で感じながらも、目の前には真っ暗闇の海が一面と広がっている世界に、しばし二人して眺め続けてた。真っ暗な海。不思議な魅力があるんだなぁ~。ゾクゾクするような恐怖もあれば、一人その暗闇に飛び込んでみたくなる衝動。なんとも言えないあの世界に不思議な魅力があるものです。
愛情溢れる料理
愛情あふれる料理

只只さんのアンティークな三輪車
只只さんのアンティークな三輪車

 最後は小林くんと二人、スッポンポンのまま仁王立ちしながら海や星を眺めていた。野外で素っ裸、この無防備姿がなんとも開放的で気持ちがいい(決して露出狂ではありませんが)。ただ仮に誰かがその光景を目撃したらさぞかしギョッとしたに違いない。

小屋場只只のオーナー・水元雄二さんと乾杯
小屋場只只のオーナー・水本雄二さんと乾杯

只只さんのご馳走に酔う
只只さんのご馳走に酔う
 翌日、港に水本さんと出かける。水本さんは片手にバケツを持っていて「野口さん、釣り人がいるから魚を分けてもらいましょうや」と悪戯っ子のようなニコリとした笑顔。「それ横取りじゃないですか(笑)」と言ってもニコニコ顔。港に着くとフェリーでやってきた釣り人たちが竿を並べていた。そこへバケツを手にした水本さんがノコノコと現れ、なにやら世間話をしながら近づいていく。とっ、思いきや、釣れたてのアジを手にしながらが「これ、くれんかの」。別に知り合いでもないわけで、こちらは大丈夫?と心配しながら見守っていたが「ああ、いいよ」と。「では二匹もらっていくよ」といいながらバケツにはちゃっかり5匹入れているではないか。

 もちろん、相手も分かっているのだがこれまたニコニコ。私も段々と図々しくなり、遠方から来ていた村田さんご夫妻に釣り竿を拝借し久々の釣りを楽しんだ。さっそくカワハギが釣れたが、小さかったので逃がす事にした。それでもとりあえずアジ5匹はゲットしたのでもう帰ろうかとなったら、水本さんが「もう少し魚がほしいなぁ~」と、そうしたら村田さんが「それなら、これ持っていっていいですよ!」とおそらくその日連れた最も大物であるクロダイ?をくれた。いやいや、なんとも有難いというか、優しすぎる。釣り人の人情に感動しました。それにしても港に行けばただで魚が貰えるとは知らなかった。アジは叩きで、クロダイは塩焼きで美味しく頂きました。ありがとうございました。それにしても水本さんのあの絶妙なタイミングにあの愛されるキャラクター、見習いたいものです。アッパレ!

一緒に釣りをした村田さんと、ありがとう。
一緒に釣りをした村田さんと、ありがとう

村田さんから頂いたお魚!美味しかった!
村田さんから頂いたお魚!美味しかった! 

 宿に戻ると庭でなんとも恐ろしい光景を目にした。カマキリである。メスのカマキリが雄を生きたまま頭から、ムシャムシャと音をたてて食べているではないか。メスのカマキリが卵を産む前に栄養補給のために夫であるオスのカマキリを生きたまま食べるというのは聞いた事があったが、実際に見たのは初めて。オスのカマキリは実に健気でかじられながらもジッと堪えている。ついに頭部が食べつくされ、もう死んでいるのかと、早く楽になれればと、しかし頭部がなくなってもお腹や足がピクピクと動いている。なかなか凄い世界を見てしまった・・・。しばし絶句。ただカマキリに限らず男の人生とは実にせつないものがあります。私も対して変わらないのかもしれないと、おそらくあの光景を目にすれば大半の男性が自身の姿とダブってしまうだろう。

雄を食べる雌カマキリ
雄を食べる雌カマキリ

回天訓練基地付近からの夕日
回天訓練基地付近からの夕日

 それにしても夕日がなんとも美しかった。最近、海や山でよく夕日と出会う。このブログでも写真を紹介してきましたが、今回のはどうでしょうか?くどいようですが、僕はやっぱり夏の夕日よりも冬の夕焼けのほうが、澄んでいてまた青紫がかった、あの寂しげな夕日が好きです。平和なこの時代だからこそ、大津島の自然の美しさや人々との出会いを満喫していますが、回天の搭乗員はどのように過ごしていたのでしょうか。搭乗員の一人は昨年、この大津島に訪れ当時を「私はこの美しい夕陽を見た記憶がありません。突撃を待つ間、そのような余裕もなかったのかもしれませんね」と話されておられたとのこと。

 来年もまた大津島に訪れたい。

隊員が見ていたであろう大津島の夕日


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