1月7日
昨日からゴーキョピーク山頂にテントを張りエベレスト(サガルマータ)の撮影を行っていましたが、夜からとんでもない強風になりテントが吹き飛ばされるのではないかと、シェルパたちとほぼ一睡もできなかった。ポールが折れていないのがラッキー。今年のヒマラヤは未だ雪が一度も降らず。そしてその分だけひたすらに風が強い。今朝、ゴーキョー村に降りてきました。そのままレンジョパス(峠)を超えようとしましたが強風のために明日に延期。あ~眠たい。そして体が冷え冷え。
テントの中からエベレストを眺める。この時間はまだ平和だった・・・。まさかこの後に砂嵐が襲ってくるとは・・・。
これが僕らの宿です。ゴーキョピークの山頂の岩陰に張りました。テントは山小屋とはまた違った魅力がある(天候が良ければ)。この日はデェンデイーが焼きそばを作ってくれた。そしてもう一人のカメラ小僧のアディカリが星の写真の撮り方を力説。最近、星撮影に凝っているようで「星撮影ではネパール人一番を目指す」と寒い中、テントから出ては三脚に取り付けてあるカメラをいじっていた。僕は日本から持ち込んだ日本酒をチビチビ。「鳥海山」が気持ちよく胃に染み込み体が温まる。狭いテントの中はそれぞれの世界観があってね、これが気の合う仲間たちだと楽しい
左からエベレスト(サガルマータ)、ヌプツェ、ローツェ、そして右奥がマカルー。この一枚の写真の中に8000M峰が3座。山に限らずですが、僕はこの日没前後の色が一番好き。アフリカの時もそうでしたが、カメラ小僧としては夕方からが僕にとっての出勤時間みたいな(笑)。この時間帯は空の色が秒単位で変化していくし、また日中のような厳しい光ではなく淡く優しい。そしてとっても静か。ただ、寒いですけれど。
ヒマラヤ登山を目的としている時は絶えず「快晴無風」を望むものですが、ヒマラヤの表情を求めてヒマラヤにやってくるとまた別な世界を求める。特に気流の荒れはヒマラヤの表情を生々しくさせる。まるで生き物のように。
旅の仲間たち。「鳥海山」と「ヤマユ」です。どちらも秋田の日本酒で今回はヒマラヤ用スペシャル(入れ物が)。日本酒マイスターの町野さん有難う!
ヒマラヤ入りした頃は体調不良がどうしようもなく帰国も考えましたが日に日に体がヒマラヤに馴染んできて今は元気です。そして昨夜もそうでしたがこの子たちを寝袋の中でブルブルと震えながらチビチビ頂いていました。やはり日本酒がいい。本当にいい。この子たちが胃袋に入ってくる度に胃袋の細胞が喜んでいるのがよ~く分かる。
ヒマラヤから帰国したらまた秋田へ行こう。3月は生酒の時期だ。楽しみだなぁ~。
ゴーキョ村の宿の女将さんが「寒かったでしょ」とお湯をくれた。ここでは極めて貴重な貴重なお湯。この貴重な一杯のお湯を大切に有りがたく頂いた。まずは顔を洗ってそして最後は足を温めて。足もかなり冷え切っていたので真っ赤になってね。でも心底に癒され、また体も温まった。足を温めること、これはとても大切。お湯にも、そして女将さんの気持ちにも感謝。
それにしても汚い写真でしたね。
ゴーキョレークです。大半が凍っていて、空気が凍っている氷の下を通る時の音なのか「クォーン」「クー」って音が響き渡るんです。まるでクジラの泣き声のような。とても神秘的な世界。
ゴーキョピーク上部から撮影したゴーキョレークとよく見ると画面左下にゴーキョ村があります。4日間過ごしたゴーキョ。明日はレンジョパス(峠)を超えてターメへ。今夜が最後かと思うととても寂しい。10数年ぶりのゴーキョは寒かったですが、それ以上に素敵でした。